2022年最後のFOMCがまもなく開催、利上げ動向に注目集まる

ジェローム・パウエル議長(Getty Images)


12月発表の数字を見れば、米国のインフレが今後、どういう傾向を見せるか、ある程度わかってくるだろう。11月の発表値に続き、インフレのピークアウトを期待させる結果が出れば、FRBも、2023年に金利を5%まで引き上げることはないかもしれない。だが、11月に発表された10月のインフレ率が一時的な減速にすぎなかったことが判明すれば、FRBは2023年初頭から、より思い切った手を打ってくる可能性もある。

ピーク金利はどれほどの期間続くのか?


FRBはまた、政策金利が目標とする水準に達した後は、その値をしばらくは維持することも示唆している。FRBが2023年、ピークに達した金利をどれくらいのあいだ維持するのかという点について、市場は手がかりを探すだろう。現時点で市場は、2023年のかなりの期間、FRBは5%前後の水準を保つとみている。

FRBがこれほど積極的に金利を上げられるのは、米国の雇用市場が依然として堅調なことも理由の一つだ。2023年に米国が景気後退に入るとの予測が呼び水となり、FRBが金利に対するアプローチを軟化させるかどうかは、いまだ不明だ。経済指標を見る限り、すぐに景気後退が起きるとは考えにくく、今のところ、これは理論上の議論にとどまっている。

FRBは、短期的な自らのポジションをかなり明確に示しており、12月の金利決定で特にサプライズはないはずだ。2023年の金利の行方を占ううえでは、今後発表される失業率とインフレのデータが、FRBの声明と同程度の重要性を帯びるだろう。

インフレ率が高止まりし、雇用市場が堅調な状況であれば、これが後押しとなって、FRBはより長いあいだ、金利を現在の予測よりもさらに引き上げるかもしれない。しかし、インフレが鈍化し、失業率が上昇すれば、2023年には、金利に対する強気のアプローチを徐々に緩和させる可能性もある。

いずれにせよ、12月のFOMCにおいては、FRBが2022年に発表してきた、歴史的に見て大きな上げ幅が継続されると考えるのが妥当だろう。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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