2022年最後のFOMCがまもなく開催、利上げ動向に注目集まる

ジェローム・パウエル議長(Getty Images)

米連邦準備制度理事会(FRB)は、12月13、14日に開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)の後、米国東部標準時14日14時(日本時間15日4時)に、政策金利水準の見通しを発表する。

今回は0.5%の利上げが発表される、と市場は予想している。これは、最近のいくつかの会合後に示されてきた0.75%と比べると、トーンダウンした数字だ。FRBは、インフレとの戦いに懸ける強い意志を表明しているが、これまでの度重なる利上げにより、現段階の政策金利は、金融当局が望む水準に近づきつつある。

利上げが続いた2022年


0.5%の利上げは、FRB幹部による最近の発言内容とも一致している。その一つが、ジェローム・パウエル議長がブルッキングス研究所で11月30日に行った講演だ。

市場は、FRBが再び0.75%の利上げに踏み切る可能性も、わずかながらあるとみている。とはいえ、金利がピークに近づくなかで、政策判断で誤りを犯すリスクを低減する方策の一つとして、利上げ幅を縮小することをFRB幹部が示唆しているだけに、0.75%の利上げが現実となれば驚きをもって迎えられるだろう。

焦点となる2月の金利決定


市場にとって現実的な問題は、FRBが、次にFOMCが開催される2023年2月にどのような判断を示すか、という点だ。現時点で市場は、2月の利上げ幅は0.5%と0.25%、どちらに転ぶ可能性も同程度あると見ているようだ。12月の政策金利発表時に詳しい情報が手に入れば、どちらになるかを判断する手がかりになるだろう。

2023年、金利の5%超えはあるか?


政策金利決定とそれに伴う発表には、大きなサプライズはないかもしれない。しかしこれと同時に、経済の先行きに関する見通しも発表される。これは、FRBの政策立案者が、政策金利、失業率、物価上昇率、経済成長率に関する予測を明らかにするものだ。

前回、こうした予測が発表された9月の時点では、2023年の政策金利は5%に達しないという見通しだった。この予測がそのまま維持されるのか、あるいは、FRB幹部が多少の上方修正を行うのかは興味深いポイントだ。

また、一部の政策立案者は9月の予測のなかで、2023年の景気後退を示唆していたが、この点についても今回、新たな知見が得られることだろう。発表後の記者会見では、FRBのパウエル議長から、この点についての発言があるかもしれない。

直前に発表されるインフレ率が、金利決定に及ぼす影響は


インフレの実態を示す消費者物価指数(CPI)は、FRBが金利の上げ幅を示す前日の12月13日に発表される。この数字も、FRBの決定に影響を与えるだろう。

11月に発表された10月のCPIは、前年比の伸び率が鈍化し、インフレがピークアウトした兆しとも受け止められた。だが、現時点でFRBは、この結果を一時的なものと考えており、インフレ率2%という目標に回帰するには、さらに多くの働きかけが必要になるとの見方をとっているようだ。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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