Amazonも注目 「リテールメディア」への投資が大幅に拡大か

出典:Grocery TV

リテールメディアは、多くの小売企業にとって魅力的なビジネスチャンスです。

リテールメディアとは、ブランドが小売企業のデジタルおよび物理的なチャネルを利用して、商品を紹介し、認知度を高め、ひいては顧客ベースを拡大し、収益を上げるための進化した広告手法のことです。これらの広告は、店舗やアプリ、Eコマースサイトでの表示や、ソーシャルメディアプラットフォームなどの外部チャネルで共有されます。

本記事では、2022年8月にCoresight Researchが実施した米国小売企業への独自調査に基づき、リテールメディア市場の主要トレンドを分析し、勝てるリテールメディア戦略を構築するために必要なツールについて概説しています。

※小売企業がデジタル広告費を収益化し、顧客ロイヤリティを構築するためのリテールメディア・ソリューションを提供するSwiftlyの協力のもとお届けします。

市場規模と機会


年々変化する個人情報保護の中で、リテールメディア市場は顧客データを活用し、期待できる収益の柱となるべく、継続的な成長を続けています。小売企業が活用するファーストパーティの顧客データは、サードパーティデータに基づく広告を取り巻く複雑なプライバシー問題の影響を受けないため、ブランド広告主にとってより魅力的なデータとなっています。また、増大する運営コストを補い、顧客とのデジタルな関係の構築を促進することができます。

例えばAmazonのリテールメディア事業は、2022年第2四半期に18%の収益成長を達成しましたが、同時期のオンライン販売収益は4%減少。リテールメディア事業の高収益が、同社の収益を支えています。

ブランドサイドからみると、多くのブランド広告主が、小売店のデジタルおよびフィジカルのチャネルを活用して自社製品のプロモーションを行い、購入時点により近い場所に広告が掲載されることで、売上が増加することを期待して、広告費をリテールメディアへ移行しています。また、より透明性の高い結果を提供するデジタルチャネルに消費者と投資額を移行させ、広告投資の費用対効果を総合的に測定したいというブランドの期待にも応えています。

消費者データを収益化し、利益率を高めたいという点から、ほとんどの小売企業はリテールメディアを提供するか、リテールチャネルを集約する組織化されたネットワークを提供する企業との提携を行っています。リテールメディア・ネットワーク(RMN)とは、小売企業が所有するデジタル広告事業で、ブランドが小売企業の様々な販売チャネルで広告を出せるようにするネットワークのことです。

Amazonは、Google、Facebookに次ぐ第3位のデジタル広告プラットフォームであり、そのリテールメディア事業は成長を続けています。同社のCFOであるBrian Olsavsky氏が2022年第2四半期の決算説明会で述べたところによると、同社はリテールメディアの収益が今後も力強い成長をすることを見込んでいるといいます。
次ページ > 2022年最も急成長?

文=RxR Innovation Initiative

ForbesBrandVoice

人気記事