昨今の値上げ風潮もあり、事前にネットで価格を調べてみた。以前は12ドル~13ドルだったバーミセリが16ドルになっていて、値上げ幅がずいぶん大胆だなと思いつつ、石油高による輸送コストの値上がりや人手不足による人件費の高騰などもあるし、まあ仕方ないかと店に向かった。
ところが店に入ってみると、メニューが真新しくプリントされていて、目当てのバーミセリを見たら19ドルになっていた。チップを加えたら23ドル(1ドル=137円換算で3151円)。日本では「うまい棒」が10円から12円に値上げされることがニュースになったと聞いた。ハワイの値上げは「値上げして申し訳ない」という雰囲気はゼロ。値上げ幅もまったく遠慮ないのである。
最近、ネットで「ハワイ」と検索すると「高い」「値上げ」という話題ばかりが出てくる。ハワイ在住者としては悲しいことなのだが、現状を見るにつけ、そんなことが話題になっても仕方ないと思わざるを得ない。観光で成り立つ州の住人としては、あくまでも悲しい。
しかし、せっかく日本の入国規制も大幅に緩和となり、往来が楽になったいま、寒くなる日本を離れて常夏の、いつも爽やかなハワイに行きたい! という気持ちは大切にしてもらいたい。そこで、今回は少しでも「節約」してハワイに行こうという話である。
物価高の影響か、比較的安価なうどん店にはあいかわらず長い行列が
「トッピング形式」のサービスが特徴
ハワイと日本を往復する飛行機をめぐる状況も、ずいぶん変わってきている。まだ便数がコロナ禍以前の水準に戻ってきていないので、座席数が少ない。そのせいか、航空運賃や特典航空券の必要マイル数も高くなりがちだ。
さらに燃油サーチャージの存在がある。一時期、燃油サーチャージだけで往復9万円近くになってこともあり、もう1人分の航空運賃が上乗せされているような感覚になってしまった。で、そんな折に登場したのが、LCC(=Low Cost Carrier ローコストキャリア)である。
ハワイ便でいうと、「ZIP AIR(ジップエア)」。石油高のなか、「燃油サーチャージ無し」という大胆な特徴を備え、機内食など各種サービスは好みで購入するトッピング形式ながら、機体は新しく、しかもJALの子会社ということでサービスレベルも期待できる。皮肉なことにコロナ禍での就航開始となったものの、じわじわと利用者を増やしている。
観光客の姿は着実に増えてきたが、日本人はまだ少ない
元々、「JALマイラー」である筆者は、いつもJALを愛用していたが、最近その利便性と料金設定からもっぱらZIP AIRを利用するようになってしまった。同じようなJALマイラーからは「もうステータスはあきらめて、ZIP AIRを使っている」というような話をよく聞く。
JALの場合、搭乗回数やマイル数によってサファイヤやダイヤモンドなどのステータスが決まり、それに応じたサービスを受けられた。たくさん搭乗する、いわゆるジェットセッターは、上位のステータスを維持するのも楽しみの1つであったわけだ。ところが最近はどうやら、その楽しみを捨ててもZIP AIRを選んでいるというのである。