ウクライナ人はロシア軍による集中砲火の中、厳しい冬をどう乗り切るのか

冬季迷彩服を着ているウクライナ軍兵士(Getty Imges)

ウラジミール・プーチンとロシア軍は、ウクライナ軍に侵攻の停滞を余儀なくされた夏以降、その最新戦略はエネルギー基盤を攻撃しウクライナを「凍結」させるつもりであることだとを明らかにしている。

電力、暖房、燃料資源はロシア軍によるキーウをはじめとするウクライナ各地へのミサイル攻撃の標的にされている。同国は冬の厳しさで知られている。


ロシア軍の攻撃で破壊された発電所を修復する作業員たち(Getty Images)

Kyiv Independentのイリヤ・ポノマレンコ記者によると、ウクライナ人たちは東欧諸国の中でテクノロジー分野のリーダー、アーリーアダプターとして長年知られており、テクノロジーを利用して暖かさを保っているという。

同記者によると、多くの企業が事業を継続するために大型発電機を導入しており、蓄電池と組み合わせることによって、ロシア軍の攻撃や停電に備えている。

「私自身も発電機を持っていて、状況が悪化した時にはボイラーを1日に数時間動かせば家の温度をそれなりに確保することができます・いろいろな機器の充電もできます……。何かしら充電方法はあるものです」とポノマレンコはTwitter(ツイッター)で述べている。



12月10日、欧州委員会は40基の大型発電機をウクライナに送ったことを発表した。それぞれの発電機は病院1つ分の電力を賄う能力がある。

これに先立ってペンタゴンは、米国国防省がウクライナ軍に、冬季装備パッケージに加えて発電機200基を送る予定であることを発表した。パッケージには「テント、ヒーター、および数千着の防寒服が含まれている」という。

電力を維持してウクライナ人たちの暖房を確保するための人道支援が、複数の国連機関、米国政府、欧州連合および世界中の政府、支援組織によって進められている

ウクライナ国防省は、同国の兵士たちの士気が高く、あちこちでピカチュウダンスを踊るなど、自分たちでも奇抜な方法で暖を取っていることを報告している。

ポノマレンコが伝えているように、資源は値が張るかもしれないが、見つけることはできる。

「ロシア軍ミサイルによる脅威の下でも、冬を乗り越える方法は必ずあります」と彼はいう。「この冬は大きな悩みの種ですが、ロシア軍は、重要インフラを破壊することでウクライナ人の士気を削ぐことなどできません。クレムリンの時計が刻一刻と進む中、ウクライナ人全員が前へ進む方法を見つけ出しています」

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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