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テクノロジー

2022.12.13 14:00

世界最古200万年前のDNA発見、氷河期の堆積物から

マストドン想像図(Getty Images)

グリーンランド北部の氷河期の堆積物から微小なDNAの断片が発見された。最先端の技術を駆使して採取されたDNAは、2021年にシベリア産マンモスの骨から採取されたおよそ100万年前のDNAよりも、さらに100万年古いものであることが判明した。

この発見は、エスケ・ウィラースレフ教授カート・H・ケアー教授が率いる科学者チームによってなされた。ウィラースレフ教授はケンブリッジ大学セントジョンズカレッジのフェローであり、地質学の専門家であるケアー教授が所属するコペンハーゲン大学のLundbeck Foundation GeoGenetics Center(ルンドベック財団地球遺伝学センター)のディレクターでもある。

ウィラースレフ教授はこの発見について「100万年以上の広がりを持つ歴史の新しい章がついに開かれて、はるか昔の過去の生態系のDNAを初めて直接見ることができるようになりました」とコメントしている。

「DNAはすぐに劣化してしまいますが、適切な環境下であれば、これまで誰も想像できなかったほど過去にさかのぼることができることを示せました」

ケアー教授は「古代のDNAサンプルは、2万年以上かけて堆積した土砂の奥深くに埋もれているところを発見されました。その堆積物は最終的に氷や永久凍土の中に保存されましたが、重要なことは200万年間人間によって邪魔されることがなかったということです」と付け加えた。

数百万分の1ミリの長さしかないこのDNAの不完全なサンプルは、グリーンランド最北端のフィヨルドの浅い地域に堆積した厚さ約100メートルの堆積層であるKap København層から採取された。堆積時のグリーンランドの気候は、現在よりも10~17度暖かく、温帯林と雑草の平原が混ざり合ったような、現在では考えられない生態系が維持されていた。

デンマーク、英国、フランス、スウェーデン、ノルウェー、米国、ドイツから集まった40人の研究者が、このDNAの断片の秘密を解き明かしたのだ。
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翻訳=酒匂寛

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