SDGsの17の目標を目指すうえでも「まずは気づきが大切だと思う」と、俳優は熱っぽく語る。
「気づきって大事ですよね。それはSDGsもそうです。たとえば、当たり前にあるもの、今、僕たちが立っている場所って何? 地面? 地面じゃない、地球だ! そういう当たり前だけど大切なことを考える、そのためにも気づきが本当に大事だと思っています。
僕はSDGsという言葉が広まる前から、『僕らは地球にいるんだ』ってことを強く思っていて。夢想家みたいに思われてしまうかもしれないけど、国境なんて線が引かれているから、いろんな争いがあったりするんだろうな、そんなふうに考えるタイプでした。
そのうえでSDGs、僕らがどうしていくべきかを思うと……。まずは一人ひとりが、心の底から『僕らは地球に住まわせてもらってるんだ』っていう考えを持たないと、行動が伴っていかないんじゃないかなと思っています」
ジャケット、パンツ(ANTOSTOKYO/untlim 03-5466-1662)、シャツ(ETON care@etonshirts.com) 、その他 スタイリスト私物(森田晃嘉 AKIYOSHI MORITA)
SDGsの取り組みをもっと広めていくために大切なことを問うと、少しの間、思案して「教育じゃないかな」と口を開いた。
「でも、それは人間という生き物が、生産性のある動物として、社会に出るための教育ではなくて。自然に対しての教育っていうのを、推していくべきじゃないかなと思う。もっと道徳的な部分、倫理的な部分を、教えていくのも大事。そんなふうに、僕は考えています」
自分自身は「大したことはできていない」と自嘲気味な笑みを浮かべつつ、「それでも」と力を込めた。
「僕、家電が好きですが、不要になった家電が粗大ゴミにならないように気を配ってはいます。買い替えるときは、必ず欲しい人を見つけて、誰かに譲る。
仕事がら着飾らせてもらうことも多いんですが、プライベートでは着飾ることよりも、ずっと長く着ること、使い続けることを重視しています。そして、着なくなった服は、半年に1回とか、1年に1回とか、仲良くしているスタッフさんたちを呼んで、『この中からいるものあったら、持っていってください』って会を開いてます。無駄になるものを持たない、まずは、それが何よりも大事なんじゃないでしょうか」
山田裕貴◎1990年⽣まれ、愛知県出⾝。2011年、「海賊戦隊ゴーカイジャー」で俳優デビュー。22年エランドール賞新⼈賞を受賞。公開待機作に『東京リベンジャーズ2』(23 監督・英勉)が控えているほか、23年大河ドラマ「どうする家康」への出演が決定している。