今年に入ると、ABEMA TVのディベート番組「マッドマックスTV論破王」に出演。独特な言い回しや隙をついた冷静な切り返しを生かし、論破王・ひろゆきの持論展開を華麗にかわし、新ディベート王としても注目される。なぜ呂布は勝負に強いのか。その勝ち方を探った。
ひろゆき破り、新ディベート王に
ディベート番組「マッドマックスTV論破王」で、呂布が注目されたのが5月に出演したひろゆきとの一戦。「強面は得するor損する?」というテーマで、呂布は「得する」という立場で戦った。
強面について「セキュリティが高い状態」なので、その後の態度次第で「プラス査定」されるという言い分を展開する。ひろゆきの疑問に答える形でディベートは進んだが、「ナメられる側にいた方が良いと思って生活してるんですよ」とひろゆきが言うと、呂布はすぐ「ヘラヘラして油断させて懐に入り込むのはマジで詐欺師の考え方ですよ」と切り返す。これにはひろゆきも「はいはいはい」と一瞬ひるんだ。
その後も「(才能など)何にもないけど強面だけってむしろマイナスじゃないですか」とひろゆきが例え話を出しながら返すが、そのままタイムアップ。論破王ひろゆきには「淡々と話をされる方でなかなか浮き沈みが作りづらいなと思った」と評され、ディベートの専門家たちの判定で呂布が論破したと認められた。
この一戦から新ディベート王として呂布が注目され、ひろゆきVS呂布カルマの関連動画の総再生回数は2000万回超えしている。他の出演者との戦いもあるが、呂布は相手の意見を受け止めながら論戦を進めて、一瞬で隙をつき、優勢に畳み掛けるのが勝ちパターンで、ラップバトルさながら盛り上がる。
相手を転がす、呂布の戦法
呂布は「(普段出演する)ラップバトルは音や韻など制約のあるなかでやるので、ディベートの方がはるかにやりやすい」と、さらりと語る。ディベートでは最初から自分の意見を強く主張するタイプの人もいるが、呂布の戦い方は手のひらで相手を転がすイメージ。
これについて、呂布は「物事って両面あるので、『こういう時にこう』という事例を引き出していくと、論理の穴も見える。ディベートは自分の主張を通すものだと勘違いしている人がいるんですけど、ひとつの立場に立っていかに論戦ができるか、なんで。実は自分が思っていない立場の方が戦いやすかったりする」と明かす。
普段ラップバトルで磨き上げた切り返しの鋭さが、ディベートにも生きているのだろうか。呂布は「逆っすね」と言う。
「ディベートが強いからラップバトルも強いんだと思います。基本、ラップでも隙の付き合いなんで、相手の言葉を取り上げてどう隙をつくか。ディベートでは自分の性格のいやらしさが出てると思う。相手が話すのを遮っちゃうと、相手にとってコアなこと(主張)の裏付けの部分が分からなくなる。逆に調子に乗って喋らせてあげると、綻びが出てくるんです。自分は相手に言いたい主張なんて何もないですよ」