パワートレインは、システム最高出力658PS、最大トルク950Nmを発揮。0−100km/h加速3.8秒だ。さらにRACE START機能を使えば、システム最高出力761PS、最大トルク1020Nmを発揮。0−100km/h加速は3.4秒にまで到達するという。こちらはサーキット試乗の機会があればぜひ試してみたい。
乗り味はAMGがチューニングしただけあって、走りだしから力強く、ハンドリングも俊敏なもの。アクセルペダルに力をこめると明らかに速い。EQS450+は鼻先が軽く軽快に動くのに対して、高速コーナーでも盤石のスタビリティをみせる。ステアリングには、AMGドライブコントロールスイッチが備わり、手元で「Comfort」「Sport」「Sport+」といった走行モードや出力特性やサスペンションの硬さなどを個別に選択することも可能だ。
これだけのハイパワーなので一充電あたりの航続距離(WLTCモード)はEQS450+の700kmに対して601kmとなる。それでもこの走行可能距離ならば家庭に充電環境があれば日常的に困るシーンはほとんどないだろう。
箱根のワインディング路を駆け巡ってからの帰路、突然、モニターやLEDの間接照明が淡い赤色にかわり、室内にはほのかに香水が漂い、シートがわたしの体をマッサージし始めた。どうやらエナジャイジングコンフォートプログラムが作動したようだ。これは、運転時間や動作などを考慮して空調、照明、音楽、シートの快適機能などをトータルでコントロールし、ドライバーにリフレッシュやリラックスをもたらすというものだ。
2ボックスのスタイリングや軽快な乗り味、サウンドエクペリエンスといったギミックなど、EQSはSクラスの代替というよりは少しカジュアルな雰囲気をまとっている。その一方で、ブランニューのBEVであってもメルセデスらしさは失われていない。
(本記事はOctaneからの転載である。)