30U30

2022.12.16

LinkedInなしで最初の仕事を獲得する方法

そのとき、閃いた。ミシガン工科大学のような知名度の低い学校に通う何千人もの学生と、才能を渇望する企業を結びつけるソフトウェアをロードが作ったらどうだろう? 「才能ある学生はどこにでもいます。そして、どの地域で育ったかが、大学卒業後のキャリアを決めるべきではありません」と彼は言う。「ミシガン工科大学では、私たちは見向きもされませんでした」。

そこで彼は、その秋にキャンパスに戻ると、ベン・クリステンセン、スコット・リングウェルスキというコンピューターサイエンスの仲間2人とチームを組み、仕事に取りかかった。3人の学部生は、学生、大学、雇用主をバーチャルにつなぐ、使いやすいモバイルファーストのネットワーキングプラットフォームを思い描いた。彼らは2年後の2014年にHandshakeを立ち上げ、2017年のForbes 30 Under 30で紹介された。

現在、全米1400校の大学に通う(多くは就職経験がほとんどない)約1200万人の大学生がこのプラットフォームを利用して、75万社の求人情報を検索し、採用担当者や卒業生とメッセージを交わし、仮想キャリアフェアに参加してビデオ面接をしている。学生は一銭も払わないが、学校は年間平均8000ドル(約100万円)を支払っている。このプラットフォームのプレミアム版を購入する1110社は、年間15000ドル(約200万円)から数百万ドルを支払い、求職者の現在地、性別、アンダーリプリゼントのグループ、専攻、GPA、特定のスキル(JavaScriptやPythonのコーディングなど)、学校名に基づいて、ターゲットを絞って求人広告を送ることができる(たとえば、歴史的黒人大学に売り込むことなど)。また雇用主は、人種と性別を除くすべてのセグメントを使用して、個々の候補者を検索することもできる。

Handshakeの成長は、労働市場の逼迫と、パンデミック時のバーチャル採用やリモートワークへの移行によって、加速度的に高まっている。大学キャンパスで動詞化した「ハンドシェイクする」学生の数は、プラットフォーム利用者が160万人に過ぎなかった2017年から600%増加している。ロードによると、収益は2022年に1億2000万ドル(約163億円)に達し、昨年の7500万ドル(約102億円)、5年前の300万ドル(約4億円)から増加し続けている。まだ利益を出していないHandshakeは、1月にLightspeed(ライトスピード)、Kleiner Perkins(クライナー・パーキンス)、Coatue Management(コトーマネージメント)などの投資家から2億ドル(約273億円)を調達した。このラウンドによって、同社の資金調達総額は4億3000万ドル(約587億円)以上となり、評価額は35億ドル(約4780億円)にまで上昇した。Forbesは、ロードとその共同設立者たちが、昨年冬のハイテク市場のピーク時に約5億2500万ドル(約716億円)相当の、少なくとも15%をまだ所有していると見積もっている。
次ページ > Handshakeが抱える問題

翻訳=上西 雄太

ForbesBrandVoice

人気記事