そこで彼は、その秋にキャンパスに戻ると、ベン・クリステンセン、スコット・リングウェルスキというコンピューターサイエンスの仲間2人とチームを組み、仕事に取りかかった。3人の学部生は、学生、大学、雇用主をバーチャルにつなぐ、使いやすいモバイルファーストのネットワーキングプラットフォームを思い描いた。彼らは2年後の2014年にHandshakeを立ち上げ、2017年のForbes 30 Under 30で紹介された。
現在、全米1400校の大学に通う(多くは就職経験がほとんどない)約1200万人の大学生がこのプラットフォームを利用して、75万社の求人情報を検索し、採用担当者や卒業生とメッセージを交わし、仮想キャリアフェアに参加してビデオ面接をしている。学生は一銭も払わないが、学校は年間平均8000ドル(約100万円)を支払っている。このプラットフォームのプレミアム版を購入する1110社は、年間15000ドル(約200万円)から数百万ドルを支払い、求職者の現在地、性別、アンダーリプリゼントのグループ、専攻、GPA、特定のスキル(JavaScriptやPythonのコーディングなど)、学校名に基づいて、ターゲットを絞って求人広告を送ることができる(たとえば、歴史的黒人大学に売り込むことなど)。また雇用主は、人種と性別を除くすべてのセグメントを使用して、個々の候補者を検索することもできる。
Handshakeの成長は、労働市場の逼迫と、パンデミック時のバーチャル採用やリモートワークへの移行によって、加速度的に高まっている。大学キャンパスで動詞化した「ハンドシェイクする」学生の数は、プラットフォーム利用者が160万人に過ぎなかった2017年から600%増加している。ロードによると、収益は2022年に1億2000万ドル(約163億円)に達し、昨年の7500万ドル(約102億円)、5年前の300万ドル(約4億円)から増加し続けている。まだ利益を出していないHandshakeは、1月にLightspeed(ライトスピード)、Kleiner Perkins(クライナー・パーキンス)、Coatue Management(コトーマネージメント)などの投資家から2億ドル(約273億円)を調達した。このラウンドによって、同社の資金調達総額は4億3000万ドル(約587億円)以上となり、評価額は35億ドル(約4780億円)にまで上昇した。Forbesは、ロードとその共同設立者たちが、昨年冬のハイテク市場のピーク時に約5億2500万ドル(約716億円)相当の、少なくとも15%をまだ所有していると見積もっている。