デザイナー森田恭通と“外食業界の雄”が、戦友であり続ける理由

バルニバービ 代表取締役会長 佐藤裕久(左)とグラマラス 代表 森田恭通(右)


佐藤さんのアートの審美眼に、刺激を受けています。


森田恭通:一軒のカフェが街や地域を変えていく。タイムレスでありながら、店と一緒に街を育てていく。バルニバービ創業当初からそれを続けているのが佐藤さんです。

僕も、回転寿司店や一般の方々も使える同志社大学の学食、淡路島のラーメン屋台風の店など、キャラクターが違う店をつくらせてもらっています。


佐藤の地方創再生の最新案件は 淡路島「屋台中華そば いのうえ」。 店舗デザインは森田が手がけた。

2020年に手がけたこの店(渋谷「NEW LIGHT」)は、公園を踏襲しつつ、アート好きのオーナーの自宅のような雰囲気にしました。アートを生かすには照明も重要です。ここではギャラリー風の当て方でなく、周りの光を計算し、アートを空間の中で自然に見られるように設計しています。

佐藤さんは、パリで開催された僕の写真展にも来てくれました。世界中のアートフェアを訪れていて、気に入った作品を探すのが上手。一緒に巡ると自分の感度が上がるような刺激を受けます。

僕自身はなるべくニュートラルに、幅広く作品を見ます。そのほうが、いまの自分に必要か、空間に合うかといった基準で選びやすくなる。

センスのいいレストランにはいい絵が飾ってあることが多いので、そこでアーティストの連絡先を聞くこともあります。若いアーティストが気づいたら大物になっていたりするのも、楽しみのひとつですね。


もりた・やすみち◎インテリア、グラフィックやプロダクトなど幅広く創作活動。渋谷再開発の「東急プラザ渋谷」商環境デザイン、W大阪ホテル「MYDO」のレストランデザインも。2015 年からパリで写真展を継続。オンラインサロン「森田商考会議所」を開講中。

「エグゼクティブ異種交遊録」は、能動的に出会いを求めるアクティブな経営者たちを繋ぐ「場」と「機会」を提供するコミュニティ、Forbes JAPAN SALONの会員をつなぐ連載です。

文=松下久美 写真=若原瑞昌

この記事は 「Forbes JAPAN No.100 2022年12月号(2022/10/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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