チケットマスターは先月、スウィフトが来年予定する全米ツアー(52公演)の先行販売を行ったが、大量の申込みが殺到したためシステムがクラッシュ。その後予定していた一般販売は中止に追い込まれた。
ニューヨーク・タイムズによると、訴訟は今月2日、チケットを購入しようとしてできなかった26人がカリフォルニア州で起こした。原告側は、カリフォルニア州の反トラスト法(独占禁止法)違反1件につき2500ドル(約34万円)の損害賠償を求めているという。
チケットマスターの反トラスト行為が原因で、「スウィフティー」と呼ばれるスウィフトファン1160万人のチケット購入が妨げられたと認められれば、損害賠償総額は290億ドル(約4兆円)にのぼる可能性がある。チケットを入手できた240万人のなかにも、そうした行為によって過大な額を支払わされていた人がいたと判断されれば、賠償額はさらに膨らむとみられる。
ライブ・ネーションのグレッグ・マフェイ会長はニューヨーク・タイムズのコメントには応じていない。ただ、先月出演したCNBCの番組では、チケットマスターはスタジム900カ所を満杯にするチケットを販売できたはずだが「スウィフトは3〜4年間公演を行っておらず、それが大きな問題を引き起こした」との認識を示している。
原告側はチケットマスターについて、長年、先行販売や一般販売のチケットをもっぱら同社で買うように仕向けてきたと主張。その価格は、市場に競争がある場合よりも高くなっているとしている。さらに、チケットの転売市場でも同様のことをし、市場に競争がある場合よりも高い手数料や利益を得ていると訴えている。
チケットマスターをめぐっては、ライブ音楽業界での独占的地位の乱用がなかったか司法省が調査しているとも報じられている。コンサート会場の運営大手だったライブ・ネーションは、2010年にチケットマスターを買収した。
(forbes.com 原文)