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2022.12.10 14:00

ゆでたジャガイモは糖尿病リスクと無関係、問題はバターや調理法

ディルとゆでたジャガイモ(Getty Images)

医学誌『Diabetes Care』に最近掲載された研究によれば、ゆでたジャガイモを摂取する人は、日常的に野菜をほとんど食べない人と比べて、2型糖尿病の発症リスクが21%も低いことが明らかになった。ジャガイモが糖尿病や循環器系疾患などの生活習慣病の原因として悪名高いのは、ジャガイモを常食する人が野菜にバターをたっぷりかけすぎたり、揚げた状態で食べたりする傾向があることが主な理由なのだ。

エディス・コーワン大学(ECU)の博士課程に在籍し、この研究の著者の1人であるプラティック・ポカレルは、プレスリリースの中で「ゆでたジャガイモ、マッシュポテト、フライドポテト、クリスプポテトを比べてみると、ゆでたジャガイモは糖尿病の高いリスクとは無関係でした。何の影響もなかったのです」と述べている。「これまでの研究では、ジャガイモは調理法に関係なく、糖尿病の発症と正の相関があるとされてきましたが、私たちはそれが真実ではないことを発見しました」

ポカレルはさらに「デンマークでは、さまざまな調理法でジャガイモを消費しています。今回の研究で、調理法の違いを区別することができました」と公式声明で付け加えている。

ポカレルたちは「Danish Diet, Cancer and Health study」(デンマークの食事、がん、健康の研究)という名の長期的な研究プロジェクトで、5万4000人から報告された摂取食事内容を分析した。これらの被験者の中で、16年以上の追跡期間中に2型糖尿病が7695例記録された。さらに分析すると、この中でジャガイモの摂取量が最も少なかった参加者は、2型糖尿病のリスクが9%高いことも明らかになった。

しかし、これは主にジャガイモを多く食べている人の方が、野菜の摂取量も全般的に多く、一般的にBMIが低くなっていたためだった。そうした野菜の中にはほうれん草、ブロッコリー、レタスなど、アブラナ科の野菜として知られる緑の葉物野菜も含まれている。

ポカレルは「今回の研究では、ポテトを最も大量に食べる人は、2型糖尿病のリスクを高めるとされるバター、赤肉、ソフトドリンクも多く摂取していました」という。「それを含めて考慮すると、ゆでたジャガイモはもはや糖尿病との関連は認められません。関連するのはフライドポテトとマッシュポテトくらいですが、たとえば後者はバターやクリームなどを使って作るのが普通です」

さらにポカレルは、白米と比べるとゆでたジャガイモは食物繊維や栄養素が豊富で、はるかに健康的であると付け加えた。2型糖尿病の20~79歳における世界的な有病率は、2021年には5億3700万人となった。その数は、2030年には6億4300万人にまで増加すると予想されている。

デンマークの5万4000人の参加者をもとにデータを検討した結果、「野菜を食べている人の中で最も消費されている3種類の野菜(ジャガイモ、トマト、ニンジン)の摂取量の中央値は(10〜49)g/日でした。こうした集団では、ゆでたジャガイモが最もよく消費されていました」ということが判明している。

「最近のレビューでは、ほぼ90%の国(136カ国中119カ国)で野菜の平均摂取量が世界保健機関(WHO)の勧告を下回っていることが示されたため、これは重要なことなのです」と彼らは付け加えた。「ジャガイモはグリセミック指数(GI値、食後の血糖値上昇の指標)が高く、過剰に摂取すると体重が増加することが示唆されていますが、ジャガイモの調理方法や食事の状況(ジャガイモを他の食品といっしょにどのように摂取するか)が総カロリー摂取量に影響するのです」

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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