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2022.12.08 08:00

季節外れの「熱帯低気圧」が12月に発生か、米気象局が警告

Getty Images

米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、大西洋中央部に位置する大きな低気圧は今週、2022年のハリケーンシーズンが正式に終了した数日後に、12月としては珍しい名前付きの嵐に発達する可能性があるという。

リーワード諸島の北東750マイルの外洋にあるこの低気圧は、「今後数日間、北東に移動する間に亜熱帯の特徴を持つようになる」と予報官は述べ、今週末までに嵐を形成する可能性を40%としている。

亜熱帯低気圧は、厳密に言えば熱帯性低気圧とは別のものだが、記録上は「名前付きの」熱帯低気圧と同じカテゴリに分類されている。

この低気圧が亜熱帯低気圧に発展した場合、今年の大西洋で15番目の熱帯低気圧として記録されることになり、2022年の記録が正式に平年を上回る(シーズン中に発生する名前付き熱帯性低気圧の数は、平均14個とされている)。

この低気圧が、陸地に大きな脅威を与える見込みはないとされている。NHCのリストで次の嵐の名前は「オーウェン(Owen)」とされている。

直近で12月に大西洋で発生した名前付きの嵐は、2007年12月11日から12月13日まで続いた熱帯低気圧の「オルガ(Olga)」だった。また、2013年のシーズンの分析で、この年の12月にも亜熱帯低気圧に分類されるべきだった無名の低気圧が存在したことが分かっていた。

2022年の大西洋のハリケーンシーズンはいくつかの点で異常だった。この夏の大西洋は非常に穏やかで、普段であれば嵐が頻発する8月に、ただの1つも熱帯低気圧が発生しない25年ぶりの珍事が起きた。しかし、秋になると活動が活発化し、11月に入っても続いた。

ハリケーン「イアン」は、9月にフロリダ州南西部にカテゴリー4の暴風雨として襲来し、2022年に最も被害をもたらした嵐となった。チューリッヒの保険会社スイス・リーが9月に発表したレポートによると、このハリケーンの被害額は最大で650億ドル(約9兆円)に達し、2005年のハリケーン・カトリーナに次ぐ史上2番目の規模となった。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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