昨年トップだった作家で慈善家のマッケンジー・スコットに代わり今年首位に立ったのは、欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長。2位には欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁が入った。いずれも、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対してEU加盟各国が行う支援に果たす役割が評価された。
欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁(Photo by Hannes P Albert/picture alliance via Getty Images)
今年のランキングでは、世界の金融市場を率いる女性がかつてなく増えていることが示された。12位には国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエワ専務理事、33位にはジャネット・イエレン米財務長官が入っている。
今年初めてランキング入りした面々の中で特筆すべき人物は、最近イタリア首相に選出されたジョルジャ・メローニ(7位)だ。メローニは同国初の女性首相として、EU域内4位・世界7位の経済大国を率いている。
イタリア首相のジョルジャ・メローニ(Photo by Massimo Di Vita/Archivio Massimo Di Vita/Mondadori Portfolio via Getty Images)
象徴的な意味合いを込めて100位に選ばれたのは、イランで続く大規模デモのきっかけとなったマフサ・アミニだ。イスラム教徒の女性が髪を覆う布「ヒジャブ」の着用規則違反を理由に逮捕された22歳のアミニは、警察の拘束下で死亡。この事件をきっかけに、同国では1979年の革命以来最大の抗議行動が起きた。故人の選出は同ランキング史上初となる。
日本からは、2020年に女性初の日本銀行理事となった清水季子が56位、東京都初の女性知事である小池百合子が57位に入った。
一方、今年ランキングから姿を消した面々としては、9月に96歳で死去したエリザベス英女王、メタ最高執行責任者(COO)を退任したシェリル・サンドバーグがいる。
今年ランキング入りした女性100人の全リストはフォーブス英語版サイトで公開されている。
(forbes.com 原文)