アップルのコードネーム「Titan」とされるこのプロジェクトは、2014年から進行中とされているが、同社が計画を機密事項とし、限られた情報もリークに基づくもののため、車両のデザインや発売時期は、長い間正確には不明とされてきた。
ブルームバーグによると、アップルは、既存の技術を考慮すると完全な自動運転車の展開は非現実的だと判断し、「ハンドルとペダルを備えた高速道路のみで自動運転が可能な車両」に焦点を移したという。
アップルはまた、発売時期を2026年に延期し、これまで「早ければ2019年に発売される」と報じられた目標をさらに先送りしたという。車両の設計はまだ「プロトタイプの前」の段階であり、自動運転機能については高速道路上のみに限定し、狭い道路や悪天候の状況下ではマニュアルで操作を行うことに重点を置いているとブルームバーグは報じている。
アップルの株価は、この報道を受けて12月6日午後に2.5%以上下落して142.92ドルをつけた。下落幅は、ハイテク株が多いナスダックの下げ幅の2%を上回った。フォーブスはアップルにコメントを求めている。
ゼネラルモーターズやアルファベット、アマゾンらはいずれも、ペダルやハンドルのない自動運転のロボットタクシーの計画を進めるために規制当局と協議しており、都市部におけるウーバーやリフトの配車サービスの競合になることを想定している。
7月にランボルギーニ元幹部を採用
アップルが自動車業界に参入し、自動運転テクノロジーの最先端を行くテスラの競合となるための野心的な計画を持っているという噂は、何年も前から流れている。同社は7月にランボルギーニの元幹部のルイージ・タラボレッリ(Luigi Taraborrelli)を採用するなど、期待感は高まるばかりだった。
しかし、ここ数カ月は自動運転車の未来について懐疑的な見方が広がっており、フォードのジム・ファーリーCEOは10月の決算説明会で、「収益性の高い完全自律走行車の実用化は、まだずっと先の話だ」と発言していた。
テスラのイーロン・マスクCEOも第3四半期の決算説明会で、同社の車両が「誰もハンドルを握らない状態にはまだなっていない」と述べ、完全自動運転車への期待を弱めていた。テスラは、同社の運転支援システムの安全性に関する主張をめぐって、連邦刑事委員会と証券取引委員会の両方の調査を受けていると報じられている。
(forbes.com 原文)