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2022.12.17 08:45

スライスされたマンゴーはどこで採れた? ウォルマートなど食品トレーサビリティの今

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Food Safety Modernization Act(以下FSMA)をご存知だろうか。米国で施行されている「食品安全強化法」のことで、2011年1月から順次規則が公表・施行され、2022年11月7日に最終規則が公表された。

我々Avery Dennison Smartracも、モノに対するIDの付与とトレーサビリティのエキスパートとして、AIDC、FDA、AIM Global、GS1といった行政や業界団体の規格作成に貢献してきた。今回はそれらの経験からFSMAの現在と日本企業が対応すべきことを紹介したい。

食中毒の多くは予防できる


米国疾病対策予防センターの最近のデータによると、毎年、米国では約4800万人(6人に1人)が食中毒で病気になっている。そのうち12万8000人が入院し、3000人が死亡しているが、その多くが予防することができるものだという。

アメリカ食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration、以下FDA)は、これらの問題への対応を事後処理から予防管理へと転換するためにFSMAの導入を決定した。

FSMAは問題の防止に向けた農業用水や生産工程、輸入業者の管理や、問題が発生した場合の対応まで複数のルールを定めているが、今回はその中でも、「Food Traceability」(食品のトレーサビリティ)に着目したい。

「高リスク食品」は生産者から小売まで追える


食品のトレーサビリティは、問題がある可能性のある食品をより迅速に特定し、市場から速やかに排除することで、食中毒や死亡事故を減らすことを目的としている。

従前から、FD&C法およびFDA規制においても、食品の直前の供給元と直後の納入先を特定できることを要求してきた。

2011年1月にFDAにより制定されたFSMAの第204条(食品の追尾・追跡及び記録管理の強化)では「高リスク」食品を指定し、それらを製造・加工、梱包、保管する施設に対し、トレーサビリティに関する記録保存を義務付けるとされていた。これを受け、今般、FDAが「高リスク」食品を特定し、追加の記録保管方法の指定を行った。

FSMAでは、食品トレーサビリティリスト(Food Traceability List - FTL)に含まれる食品の加工・流通工程を担う事業者は、特定の重要追跡事象(Critical Tracking Events - CTEs)に関連する主要データ要素(Key Data Elements - KDEs)を含む記録を保持し、24時間以内またはFDAが合意した妥当な時間内に情報をFDAに提供することを求められる。

また規則では、対象の食品に対するトレーサビリティロットコードを割り当て、記録し、サプライチェーン内の事業者と情報を共有することを求めている。

これにより、対象の食品については、生産者から小売までのトレーサビリティが実現することになる。

この規則は2023年1月20日に発効され、より効果的なデータ活用を実現するためにも、すべての事業者が2026年1月20日までに遵守することが義務化されている。


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