ビジネス

2022.12.08 10:00

大手軍事関連企業100社の武器販売額は約80兆円、7年連続で増加


また、米国などの貿易制限により、一部のロシア企業は武器輸出の代金を受け取ることが難しくなっている。2021年のトップ100社にはロシア企業6社が含まれ、6社の売上高は合計でわずか0.4%増の178億ドル(約2兆4000億円)だった。

地域別の売上高


依然として多くの軍事関連企業が北米に本社を置いているが、部分的には高いインフレ率の影響で北米は2021年の武器売上高が実質ベースで減少した唯一の地域だ。

上位100社のうち27社が欧州に本社を置き、合計売上高は前年比4.2%増の1230億ドル(約17兆円)だった。

アジア・オセアニア地域からは21社が上位100社に入り、合計売上高は同5.8%増の1360億ドル(約18兆円)だった。うち8社が中国企業で、合計売上高は1090億ドル(約14兆円)だった。世界最大の軍艦造船所であるChina State Shipbuilding Corporation(中国船舶工業集団、CSSC)も中国企業だ。新たに上位100社に入った企業の中には、ミサイルと軍事電子機器を専門とする台湾のNCSIST(60位)があり、2021年には20億ドル(約2730億円)の売上があった。

中東の軍事関連企業5社は2021年に150億ドル(約2兆円)を売り上げた。うち3社はイスラエル企業でElbit Systems(エルビット・システムズ)、Rafael(ラファエル)、Israel Aerospace Industries(イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ)だ。そして残る2社はトルコ企業で、Aselsan(アセルサン)とTurkish Aerospace(ターキッシュ・エアロスペース)となる。

しかし、アラブ首長国連邦(UAE)に本社を置くEdge group(エッジグループ)は2021年の売上高を開示しなかったため、ストックホルム国際平和研究所のリストに含まれておらず、中東地域の売上高は実際にははるかに多い可能性が高い。Edge groupは近年では年間約47億ドル(約6420億円)を売り上げ、軍事関連企業の上位25社に入っている。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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