「カイリー・アービングはもはやナイキのアスリートではない」と、同社の広報担当者は5日にフォーブスに寄せた声明で述べ、スポーツメディアThe AthleticのShams Charaniaが報じた内容が事実であると認めた。
アービングは、Charaniaがこのニュースをツイートした直後に「自由であることよりも大事なものはこの世に存在しない」というテキストを添えたGIFをツイートした。
アービングは2011年に新人選手としてナイキと契約し、2014年に初のシグネチャーシューズをデビューさせた。フォーブスは、2019年にナイキから1100万ドル(約15億円)の契約料を得ていた彼が、同年時点でNBAのシューズの契約額の10位以内に入ったと試算している。
アービングは昨年、1700万ドルをエンドースメント契約から得ており、その大半がナイキからだったとフォーブスは推定している。
10月下旬にアービングは、反ユダヤ的であるとの批判を浴びる2018年のドキュメンタリー映画「ヘブライからニグロへ:ブラックアメリカよ目を覚ませ(Hebrews to Negros: Wake Up Black America)」のアマゾンのリンクを投稿した。彼はその後、自身が反ユダヤ的な信念を持っているかどうかを明言しなかったことで、8試合の出場停止処分を受け、約360万ドルの報酬を失っていた。
アービングの反ユダヤ主義の論争は、ラッパーのカニエ・ウェストが同様の主張を行い、その過程でナイキのライバルであるアディダスとの契約を失ったのと同時期に起こったものだ。ウェストは、自身のインスタグラムにアービングの画像を投稿し、彼のことを「本物」と呼んでいた。
アービングは、新型コロナウイルスのワクチン接種を拒否したことで、多くのゲームの出場資格を失い、2021〜22年の報酬から約1000万ドルを失っていた。
アービングが引き起こした問題は、実際のところナイキに大きな損害を与えてはいない。彼が反ユダヤ主義的映画へのリンクを投稿して以来、同社の株価は約30%上昇している。ナイキは今でも、レブロン・ジェームズやタイガー・ウッズ、クリスティアーノ・ロナウドなどの超有名アスリートたちとのつながりを維持している。
(forbes.com 原文)