PK戦まで睨んでいたかも!?
クロアチア代表のルカ・モドリッチは、年齢は37歳、出場し続けた疲労もあり決してベストコンディションではないはずだった。それでもプレッシャーの掛からない場所でボールを受けていた。日本代表の中心選手、鎌田大地が終始窮屈そうにプレーしていたのとは対照的だ。
ルカ・モドリッチと対峙する守田英正(Photo by Alex Grimm/Getty Images)
この大会クロアチア代表はグループリーグをほとんど同じメンバーで闘っていた。モドリッチだけでなく他の選手にも蓄積疲労はあったはずだ。そこではサッカー国力の大切な要素「後方支援」の有無が物を言う。
しかし、その部分ではクロアチア代表は恵まれていなかったかもしれない。ただ、スタジアム内の彼らはクレバーだった。どうやれば試合を有利に進められるか。日本代表はどのような攻撃を嫌がるのかを徹底した。監督の交代のカードの切り方もPK戦までも睨んでいたかもしれない。
試合の結果は1対1の同点でのPK戦だったが、日本代表とクロアチア代表の間には薄皮1枚以上の差があったのだ。
日本代表はいま、ベスト8への階段の前の踊り場で足踏みしている。育成、国内リーグ、そしてメディア───サッカー国力を総合的に高めなければ、この階段は登れない。どうすれば第2グループに肉薄することができるのか、試行錯誤の新たな4年間が始まる。何かを大きく変えなければ駄目であろう。期待したい。