2019年に設立のXanPoolは、第2四半期に新規投資家のTarget Globalから3500万ドル、既存投資家のAntler Elevateから600万ドルを調達した。評価額が4億ドルとされた同社は、世界のスタートアップを襲う資金調達の冬を乗り切ろうとしている。
調査会社CB Insightsのデータによると、第3四半期の世界のベンチャーキャピタルによる投資額は、前四半期から34%減少して745億ドルとなり、過去9四半期で最低の水準となっている。
「当社はこれからの長い冬に備えている」と、XanPoolの創業者でCEOのジェフリー・リュー(28)は、シンガポールで行われた先日のインタビューで語った。リューは、今年のフォーブスの「30アンダー30アジア」の金融・ベンチャーキャピタル部門で、保守的な金融業界をテクノロジーで破壊する起業家に選ばれた。
今回の資金調達は、XanPoolが基盤とするアジア以外の新たな成長市場でのビジネスチャンスの開拓に充てられる。同社は、タイにR&D拠点を設置しようとしており、リューは今後数年間で、エンジニアや製品開発者のチームの大半をタイに移転させることを目標としている。
暗号通貨と法定通貨の両方をサポートするXanPoolは、アジアにおける越境Eコマースブームの中で急成長を果たし、200万人を超えるユーザーを抱えている。
「私たちは常に既存の決済システムの破壊者を探している。XanPoolはまさにその企業と言える」と、Target Globalの創業者のマイク・ロバノフはコメントした。
インフレの高騰や世界的な金利の引き上げといったマクロ経済の逆風にもかかわらず、リューは今年の同社の収益が前年の3倍以上の6580万ドルに達し、2023年にはさらに1億6300万ドル強に伸びると予測している。「当社は理にかなった成長を遂げ、持続的に成長している」と彼は語った。
(forbes.com 原文)