ビジネス

2022.12.07 17:30

販売した後も環境配慮。Z世代が共感する服づくり

左から、サマンサ・ローキング・タナー、エヴァンジェリン・ティティラス

豪州でサステナブルファッションのブランドを立ち上げたふたりが、アジア版「Forbes 30 Under 30 2022」に選ばれ注目を集めている。

親友である彼女たちは、Z世代向けブランド「With Jean」の共同創業者だ。With Jeanは新作発表回数と生産量を最小限に抑え、販路をオンラインに限定、自然分解可能な梱包材で出荷することで持続可能なアパレルビジネスを実現している。

また、インドネシア・バリの職人と対話しながら、熟練の伝統染色技法を用いて衣服を適切な労働環境のもと手づくりすることにこだわっている。さらに廃棄された生地をヘアシュシュ等に再利用するなどの工夫も。その高い環境意識や倫理性からWith JeanはZ世代の共感を呼び、新作は発売後数分で完売することもあるという。

2017年、ふたりは自分たちならではのファッションをデザインすることを夢見て、貯金をためて仕事を辞めた。倫理的で持続可能なブランドを立ち上げるため、それぞれ3000豪ドル(約30万円)を出資。こうしてWith Jeanは誕生した。

21年には、豪州山火事被害支援のため48時間で6万9600豪ドル(約680万円)を集め、22年のアースデイコレクションではTシャツ売り上げ1枚につき10本の木を寄付するなど、アパレル販売で生み出したお金を環境のために循環させている。「今後はビジネスをグローバル展開し、持続可能で倫理的なアパレルを世界で実現したい」


サマンサ・ローキング・タナー、エヴァンジェリン・ティティラス◎ともにオーストラリア生まれ。デザイナーやアパレルの仕事を経て、With Jeanを共同創業。アジア版「Forbes 30 Under 30 2022」に選出。

文=フォーブス ジャパン編集部 写真=ブレンドン・ソーン

この記事は 「Forbes JAPAN No.099 2022年11月号(2022/9/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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