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2022.12.07 12:30

農業最適化で途上国の子供たちが夢に挑戦できる世界へ


細野:海外にチャレンジしてほしいという思いももちろんありますが、現状は、まだPMF(プロダクトマーケットフィット)の段階ととらえています。まずは国内での展開が最重要。焦らずに、ここでしっかりとキャッシュフローや人員などの経営基盤を整えて、海外での本格展開につなげていきましょう。数年間はかかると思いますが、その先の未来には大きな成長が待っていると確信しています。

坪井:日本の農業従事者は160万人。ただ、そこだけでは地球規模でのインパクトは起こせません。事業をするからには、農業に携わる世界25億人以上の方々に対してサービス提供することにこだわっていきたい。僕は農業を使ってお金をもうけたいとは思っていない。技術を使って、地球の課題を解決することに命を燃やせれば、笑って死ねるというのが信念なんです。

細野:思いは十分ですね。将来的にスケールしていくためには、多額の資金も必要になってきます。ひょうご神戸スタートアップファンドは運用総額が11億円と限られているので、資金面でサポートできることは限られていますが、外部の投資家を見つけてくるなど、サグリがしっかりと応援してもらえる体制をつくることは僕たちの仕事。坪井さんが描く未来図の実現に近づけられるように、手を尽くしていきます。


細野尚孝◎BIG Impact代表取締役CEO。オプト(現 デジタルホールディングス)にて投資育成事業を立ち上げ、2015年にオプトベンチャーズ(現 Bonds Investment Group)を設立。22年より現職。主な投資先はラクスルなど。

坪井俊輔◎サグリ代表取締役CEO。横浜国立大学理工学部機械工学・材料系学科卒業。大学3年時に宇宙教育ベンチャー「うちゅう」を創業。2018年より現職。「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2022」に選出。

文=眞鍋 武 写真=平岩 亨

この記事は 「Forbes JAPAN No.099 2022年11月号(2022/9/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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