NASAの宇宙船オリオンが旅の後半に、地球と月も入ったセルフィーを撮影

月の裏側、地球から最大距離近くにいるNASAのオリオンと一緒に写る地球と月(NASA)

NASAのアルテミス1ミッションが旅の後半に突入した。

有人用宇宙船として過去最も地球から離れた位置に到達した後、オリオンは月を周回する軌道を離れ、今月中に地球に着水するべく帰還を始める。

しかしその道中、オリオンは私たちの衛星の斬新な楕円軌道を何度か周回し、宇宙を漂う「我が家」の新たな象徴的な画像を何枚も取り込んだ。

上の画像は11月28日月曜日に、地球から43万2210キロメートルの位置となるミッションの最大距離の地点からの画像で、オリオンのソーラーアレイに取りつけられたカメラで撮影された。


オリオンは11月25日から月の遠方逆行軌道(DRO)に入り、進行してきた。ミッション管制官らが同機の推進用ジェットを米国中部標準時12月1日15時53分(日本時間2日6時53分)に噴射し、オリオンは軌道を離脱して地球への長い旅を始めた。

「私たちは飛行テストデータの収集を継続し、有人飛行のリスク軽減に努めます」とアルテミスミッションのマネジャーであるマイク・サラフィンが公式ブログに書いた。「今後もシステムの稼働状況、限界の確認、統合チームとして宇宙船をどのように協力して運用すべきかを学習していきます」

オリオンは搭載したカメラを地球に向け、私たちの新しい象徴的写真を何枚も撮ってきたが、注意深い天体観測者の中には、ミッションを遂行するオリオンの写真を撮影することに成功した人もいる。

天文学者のジャンルカ・マシ率いるローマ拠点のVirtual Telescope Projectは、ロボット望遠鏡を使ってオリオンの画像を撮影することに成功した。

「このような写真を撮ることは相当困難でした。これは記録的な画像です。私たちの知るかり、アルテミス1ミッションのオリオンを地上の望遠鏡で捕らえたのはこれが初めてです」とマシがブログで述べている。

この画像が撮影された時点で、オリオンはまだ月のはるか彼方にいた。

現時点でアルテミスは、12月11日に太平洋のカリフォルニア州サンディエゴ沖に着水する計画だ。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事