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2022.12.05 09:30

FTXの元CEO「自分は悪人ではない」と主張、いずれ世界が私を裁くことになる

バンクマン=フリードはABCのジョージ・ステファノプロスに「多くの人が私のせいで損害を受けました」と語った(Getty Images)

11月に破産保護を申請した、暗号資産大手FTXの元CEOサム・バンクマン=フリードは、人々に謝罪の気持ちを伝えたいと考えている。彼はABCニュースで初のネットワークインタビューに応じ、ABCワシントン支局長ジョージ・ステファノプロスに対して、FTXの破綻を防ぐためにもっともっと多くのことをできなかったということに負い目を感じていると語った。バンクマン=フリードは「何が起こっていたかの詳細を理解するためにもっと多くの責任を負っていたらと、心から深く願っています」という。「本来なら、私がすべての事態を掌握しているべきだったのに、そうでなかったことは本当に申し訳なく、悔しい思いでいっぱいです。多くの人が傷つきました。それは私の責任です」

バンクマン=フリードは、多くの人が、特にFTXの失敗で何十億ドル(何千億円)も失った投資家の多くが、彼を悪人とみなすだろうということに同意した。ステファノプロスはバンクマン=フリードに対して「多くの人があなたのことをバーニー・マドフ(有名な金融犯罪者)と重ねて見るでしょう」と語りかけた。バンクマン=フリードは「自分ではまったくそうは思っていません」と答えた。「でも、そう言われるのはよくわかります。みなさんお金を失ったのですから、本当に大金を失ったのですからね」

「このままでは何も残らないでしょう」FTXの元CEOサム・バンクマン=フリードが、その暗号資産帝国の会社の破産手続き後、ジョージ・ステファノプロスとのインタビューに応じた

しかし、バンクマン=フリードは、自分も被害者であると言いたげだった。一時は200億ドル(約2兆8000億円)の純資産があったのに、それが帳消しになってしまったのだ。ABCに語ったところによると、彼が現在持っているのはATMカードと10万ドル(約1350万円)ほどの現金の入った銀行口座だけだという。「このままでは何も残らないでしょう」と彼はいう。

FTXの本社があるバハマで行われたこのインタビューは、米国時間12月1日の朝、ABCの「グッド・モーニング・アメリカ」の中で放映された。バンクマン=フリードは、FTXの社員が流した違法薬物使用や、すべてが崩壊する前の社内の乱痴気パーティーの噂について言及し、薬物使用を目撃したことはないし、彼個人が職場で飲酒することもなかったと述べた。
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翻訳=酒匂寛

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