京都かつグローバル。コラボの技冴えるアートフェアACKとは

Photo by Nobutada Omote


ACKはまた、街の回遊を促すため、府内各所のアートイベントと連携していた。
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有斐斎弘道館の「うちにあるもの ‒Representation‒」もその一つ。現代アーティスト 山田晋也と空間プロデューサー Antiques & Art Masaが共同で、訪れる人が深く自己と向き合う空間を提供する。


通常非公開の有斐斎弘道館 茶室「汲古庵」での展示(Photo by MITSURU WAKABAYASHI)

有斐斎弘道館は、江戸中期の儒者・皆川淇園が創立した学問所跡地であり、円山応挙など多くの文化人との親交の場であったという。
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「日本の芸術には昔から合作ならではの美しさがある。静寂の中から湧き上がる動をどう表現するか。その共通の思いが二人の中で合致しているので、交わす言葉は少なくても一体感のある空間ができあがった」(Antiques & Art Masa 山田晋也)

最大の目的「購入」をどう楽しむか


アートフェアの重要な要素である“購入”については、どう楽しむべきか。

現代アートを購入する行為は好きな作品や作家に対する純粋な行動でありつつ、投資の側面も持つ。投資なのか、好きだからなのか、アートの世界の入口ではよく聞く議論だ。

「フェアにとって購入という行動はとても重要。アートの評価は人の主観によるものだが、今日と明日で同じ作品から受ける印象が違うのもおもしろいところ。購入することで作品と長い時間を共に過ごすことができるので、普段わすれがちな感覚を咀嚼する時間も大切にしてほしい」(山下)

投資だけを目的にせず、まずは純粋にアートを楽しんでほしいと話すギャラリストは多い。一方、投資だけでなく純粋にアートを楽しみたいが敷居が高いと話すビジネスリーダーも少なくない。

実は両思いなのに、思いが通じ合っていないことを両片思いというらしい。アートを挟んで向き合う両者の関係は、まさに両片思いといえそうだ。両思いになるために必要な対話こそ、アートフェアが得意とするところである。

足を踏み入れづらいアートフェアも、旅の目的や出張のついでであれば行きやすい。ぜひ、各地のアートフェアで、気軽にギャラリーや作品との出会いを楽しんでほしい。

文=鶴岡優子

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