京都かつグローバル。コラボの技冴えるアートフェアACKとは

Photo by Nobutada Omote

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アートに興味がある人ならアート・バーゼル、フリーズといった国際的アートフェアの名前を耳にしたことがあるのではないだろうか。

多くのギャラリーが一堂に会し、アーティストの作品を見たり購入したりもできるアートフェアは、東京、大阪、京都、福岡など日本の主要都市でも開催されている。

この秋、京都で開催された日本最大級の国際的アートフェア「Art Collaboration Kyoto(以下、ACK)」にも世界から64のギャラリーが集まり、多くの来訪者で賑わいを見せた。

初心者には足を踏み入れるハードルが高いアートフェアだが、ACKプログラムディレクター山下有佳子氏は、「効率化、デジタル化が進む現代社会。多忙なビジネスリーダーにこそアートと出会い、咀嚼する時間を持つためにアートフェアを楽しんでほしい」と語る。

これから各地のアートフェアに行ってみたい人のために、ACKの会場で聞いた声を参考にフェアの楽しみ方を探る。

京都かつグローバル、ACKの使命とは


「現代アートとコラボレーション」をテーマに京都で開催するACKは、今年で2回目。11月18日から11月20日まで、国立京都国際会館にて実施された。

会期中は多くの外国人を含むコレクターや美術関係者などが訪れ、メイン会場となる国立京都国際会館ではギャラリストやアーティストとの対話を楽しむ光景が見られた。

ACKの大きな特徴は、国内と海外ギャラリーのコラボレーションだ。国内ギャラリーがゲストとなる海外ギャラリーと1つのブースを共有し出展する。ニューヨーク、ロンドン、パリ、香港、台北、ソウルなどに加え、ジャカルタ、ホーチミン、コモからもギャラリーが参加している。

「ACKが目指したのは、多様なアートを見る環境を日本のみなさまに届けること。アートフェアの役割を再考し、コミュニティを生み出すための出会いを提供する場であると位置付けた。単に海外ギャラリーを誘致するだけでなく、国内と海外のギャラリーがコラボレーションすることで、ACKでしかできない多様な見せ方を目指したかった」

そう語るプログラムディレクター山下氏は、ロンドンと日本のサザビーズでアートビジネスに携わった実績を持つ。実家は京都の茶道具商というルーツもあり、京都の地域性を大事にしながら国際水準のアートフェアを実現し、ACKを通じて京都全体を盛り上げたかったと話す。


ACKプログラムディレクター 山下有佳子氏
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文=鶴岡優子

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