本業x個性で好循環を生む、B面の履歴書

イラストレーション=尾黒ケンジ


Q. B面履歴書をやってみたい方へアドバイスを。

A. 人とのつながりがさらに大切になる時代、その人の「よいところ」に注目しいかすことで、働いている人も楽しいし、周りの人も幸せになるし、仕事の質も高まる。ちょっとした「ムダの時間」も楽しむ余裕が出る。また、リスペクトが生まれることで、採用する側とされる側の「対等の関係」を築ける。よいことしかないのでやったほうがいいです。

Q. 次回の採用でもやりますか?

A. やります。上記の通り、メンバー同士が、お互いの個人的な側面=B面を知っているか知らないかで、その組織はまったく変わってくる。社員の副業を本業に活用できるのか悩む前に、シナジーをつくりたければ「知る」ことから始めてはどうだろう。恐れることは何もない。しかも無料で始められる。組織はもっと個人を知ればいいのだ。本業の優秀さや学歴やキャリアではなく、その人の多面的な個性を。

田中学園では、開校直後からすでに面白いことがたくさん起こっている。初めての運動会は、何と「開始30分前に教えた競技で競う」ものだったそう。ユニークな感覚の先生方を採用した成果か、運動会は準備に時間かけ過ぎだからほかに時間を使おうよという新発想。さらに先日「B面を使って予算ゼロで先生が遊具をつくる」計画もスタート。これは、ゼロからイチをつくる練習。そのやり方を1回経験すれば、新しい教育を生み出せるだろうという教員研修だ。ちなみにこちら、我々電通Bチームとコラボ中。シナジーはシナジーを呼ぶのだ。


電通Bチーム◎2014年に秘密裏に始まった知る人ぞ知るクリエーティブチーム。社内外の特任リサーチャー50人が自分のB面を活用し、1人1ジャンルを常にリサーチ。社会を変える各種プロジェクトのみを支援している。平均年齢36歳。合言葉は「好奇心ファースト」。

倉成英俊◎2014年から電通Bチームをリード。アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長。20年、面白いプロジェクトを作る&手伝う専門会社「Creative ProjectBase」を創業。東京ベースで世界中のプロジェクトに携わり中。

文=倉成英俊 イラストレーション=尾黒ケンジ

この記事は 「Forbes JAPAN No.098 2022年10月号(2022/8/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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