トランプは、次期大統領選への出馬を表明したラッパーのカニエ・ウェスト(「イェ」に改名)と白人至上主義の政治活動家、ニック・フエンテスをフロリダ州の自宅での夕食に招いたことが問題視されている。
マコネルはトランプの名前を挙げることなく、「共和党には、反ユダヤ主義や白人至上主義を受け入れる余地はない」と明言。自身の考えでは、そうした考えを主張する人たちと会うような政治家が、米国の大統領に選出される可能性は「極めて低い」と発言した。
マコネルは今年4月には、自身には「党が選んだ候補者を支持する」責任があると述べており、トランプの出馬に関する態度を変えたことになる。ただ、この発言の後マコネルは、「次の選挙でトランプが候補指名を獲得すれば支持するのか」との記者らの質問に対する回答を避けており、政治専門メディアのポリティコは、「注目すべき沈黙」だとしている。
一方、ケビン・マッカーシー下院院内総務(カリフォルニア州)をはじめ共和党関係者の間からは、マコネルがこうした発言をする前から、トランプに対する批判的な意見が出ていた。マイク・ペンス前副大統領は、フエンテスを「白人国家主義者、反ユダヤ主義者、ホロコースト否定論者」と呼んでいる。
すでに2024年の次期大統領選に再出馬することを表明しているトランプは、夕食にウェストを招いたことについて、「深刻な問題を抱えた男」を助けたかったと説明。フエンテスについては、「ウェストが連れてきた彼の友人で、招待したわけではない」と弁明。面識もなかったとしている。また、夕食会は短時間で終わり、取り立てて何かがあったわけでもないと語っている。
11月末に次の大統領選に立候補することを表明したウェストはここ数カ月、奇妙な反ユダヤ主義的な発言を繰り返したことで、批判を浴びている。提携していたアディダスなどとの契約も解消されるなど、自身のビジネスにも影響が及んでいる。フォーブスの推計では、ウェストの資産は10億ドル(約1360億円)を下回り、もはや「億万長者」ではなくなっている。
フエンテスは2017年にバージニア州シャーロッツビルで開催された極右の集会、「ユナイト・ザ・ライト・ラリー」に参加したことでその名を知られるようになった、Z世代の極右活動家だ。米国最大のユダヤ人団体、名誉毀損防止同盟(ADL)によると、SNSで数多くの「反ユダヤ的・人種差別的な」発言を繰り返している。
(forbes.com 原文)