日本が逆転勝利でベスト16進出 楽観視できないクロアチア戦へ


スペイン代表のルイス・エンリケ監督が肝を冷やしたのは、田中碧のシュートで日本代表に勝ち越しを許したことよりも、もう1つの会場でコスタリカ代表がドイツ代表に追いついたことだったかもしれない。

コスタリカ代表がドイツ代表に勝って、自分たちが日本代表に負けると、星勘定が一変する。グループリーグでの敗退が決まるからだ。しかし、そうはならなかった。

繰り返しになるが、日本代表の決勝トーナメント進出は快挙である。しかし、スペイン代表の側に立つと違った景色が見える。

日本代表がグループリーグをトップで通過した結果、スペイン代表の次の対戦相手は、比較的、与しやすいモロッコ代表だ。今大会最強と思われるブラジル代表とは決勝まで当たらない。そして何より厄介なドイツ代表もグループリーグで消し去ることができた。スペイン代表にとってはこれ以上ない結果だったのだ。
 
一方、日本はというと、ベスト16の対戦相手はクロアチア代表だ。レアル・マドリードのルカ・モドリッチなどの有力選手がいるとはいえ、ドイツ代表、スペイン代表と比べれば力は落ちる。


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しかし、日本代表が勝利を収めた2つの国より優っていたわけではない。特にスペイン戦は、勝負に勝ったが、サッカーでは負けていたという言い方もできる。過去、ワールドカップで日本は2度クロアチア代表と戦っているが、1分1敗だ。クロアチア戦も決して楽観視はできない。

ただ、ワールドカップは経験も重要となる。日本代表がベスト16を戦うのは2002年大会、2010年大会、2018年大会に続き4度目。そろそろ勝利の女神が味方してくれてもおかしくない。

文=田崎健太

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