寝ている途中で目覚めてしまう中途覚醒、悪いケースの見分け方

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健康経営市場の盛り上がりとともに、従業員の睡眠改善によって生産性を高めようと考える企業が増えています。私はそれらの企業に対して、これまで延べ130社、2万人以上のビジネスパーソンの睡眠改善をサポートしてきました。

最近では、自民党が、終業から始業まで一定時間の休息を義務付ける「勤務間インターバル制度」推進のための緊急提言をまとめ、来年度予算案への反映をめざしています。

人口が減少するなかで、いかに持続的な経済発展を実現するか。その戦略のひとつとして、社会全体が睡眠時間の確保に向けて動き出しています。睡眠は、個人で自己管理する時代から、会社と社会全体で取り組む時代に明らかに変化してきているのです。

この4つが満たされていれば問題ない


さて、今回は多くのビジネスパーソンが悩みを抱く、睡眠障害における「中途覚醒」について紹介しましょう。

睡眠障害と言っても、なかなか眠れない入眠困難、起きるのが辛い起床困難、寝ても疲れがとれない熟睡困難、昼間の眠気など多くの種類があります。なかでも特に多くのビジネスパーソンが抱えている睡眠障害の1つが、夜中に寝ている途中で目覚めてしまう中途覚醒です。

「寝ている途中で目覚めてしまう」とだけ聞くと、何か問題があるように感じますが、実は中途覚醒にも悪いケースと問題のないケースがあります。それを知っておくだけでも大きな不安が解消できるのではないでしょうか。


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睡眠の途中で起きても問題ないケースは、以下の4つが全て満たされている場合です。

1. 途中で起きたタイミングが寝始めから3時間以降であること


2. 起きても30分以内には再入眠ができる


3. 朝の起床時にスッキリ感が保てている


4. 昼間に眠気で仕事や生活に支障が出ることがない


この4つが全て満たされていれば、途中で起きていたとしても良い睡眠がとれている可能性が高いので、余計な心配をする必要はありません。そもそも私たちは年齢を重ねるごとに自然と睡眠途中で目覚めやすくなりますし、60才を過ぎると一度も起きないという人のほうが少ないくらいです。
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文=小林孝徳

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