そこで、医療大麻研究の進展を支援する一般社団法人Green Zone Japanと日本臨床カンナビノイイド学会がCBD製品の有用性に関する調査を行ったところ、高い効果が示されました。
大麻草から抽出される成分は、大きくTHCとCBDに分けられます。THC(テトラヒドロカンナビオール)は神経系に作用して、いわゆる「ハイ」な気分にさせるもので、麻薬として法律で禁じられています。一方、CBD(カンナビジオール)は麻薬ではなく、合法的な成分です。
調査では、CBD使用経験者を対象にSNSで質問を行い、799件の有効回答が得られました。CBD製品の用途についての問では、上位からリラクゼーション、睡眠障害、不安、健康増進、抑うつ、頭痛と並びました。なかには、発達障害、統合失調症、てんかん、膠原病などの深刻な症状の対策として用いている人もいます。
さて問題の有効性ですが、12の用途で、重症度の自己評価で50パーセント以上の改善を自覚したとの回答を得ました。神経痛、頭痛、肩や腰の痛み、慢性痛といった痛みに対するものがもっとも効果が高く、不安、睡眠障害、抑うつといった精神的な問題、さらに、喘息、てんかん、膠原病などの症状の緩和にも効果があったとのことです。
この調査により、食品、サプリ、雑貨として流通しているCBD製品が、実際に使用者の生活の質の改善に役立っていることが示されました。日本でも今年から、難治性てんかん治療のための医療用CBD製剤の治験が始まりました。この調査結果は「てんかん以外の症状に対しても、医療用途での適応拡大を検討する意義があることを示すもの」だとGreen Zone Japanは話しています。