クオは、両モデルの製造がフォックスコンの中国の鄭州の工場で「労働者の抗議活動による大きな打撃を受けた」と述べている。アップルは、第4四半期中に最大8500万台を生産する計画だったが、11月の鄭州のiPhone工場の平均稼働率は約20%程度で、「12月に入っても30〜40%程度にしか改善しない見通し」という。
アップルは、iPhone 14 ProとPro Maxの製造の約10%を、小規模なパートナーであるPegatronとLuxshare ICTに委託したという。しかし、「大量出荷は早くても12月下旬になる」とクオは述べている。
製造キャパシティの低下は、アップルに週あたり10億ドル(約1370億円)の機会損失をもたらすと言われている。「経済不況の中、第4四半期のiPhone 14 Proシリーズの需要のほとんどは、消滅すると考えている」と、クオは結論付けている。
iPhone 14 ProとPro Maxの販売台数が今年急増したのは、標準モデルとPlusモデルの需要が圧倒的に不足していることが一因だ。これらのモデルは、iPhone 13と比べるとわずかなアップグレードしか加えられておらず、ユーザーはキャリアの長期契約によって、より魅力的なProモデルの購入に向かっている。
その結果、アップルは、iPhone 14の標準モデルやPlusモデルの減産を強いられ、iPhone 14 ProとPro Maxの需要に応えられない状況に直面した。米国の公式ストアの注文画面では現在、Proモデルの発送が4週間後になると表示されている。
これからProシリーズを購入しようとする人は、早くても年明けまで端末を受け取れないことを覚悟する必要がある。
(forbes.com 原文)