iCAD はマンモグラフィ技術の世界的リーダーとして知られる企業で、両社の取り組みは、乳がん検診へのアクセスや精度、臨床医の作業負荷の軽減などに役立つ可能性がある。
デジタルマンモグラフィーの普及にもかかわらず、乳がんの発見と診断は今も困難なままとなっている。マンモグラフィーを検査を10年間続けると、平均して50~60%の確率で少なくとも1回は偽陽性と判定されれるとのデータもある。また、この分野の専門家が不足しているため、検査画像の解析が困難なケースも報告されている。
グーグルは臨床研究パートナーの協力を得て、2018年に乳がんの検出を改善するAIモデルの開発とテストを開始していた。
同社のAI技術は初期段階で成功を見せ、2020年のネイチャー誌では、「AIは放射線技師よりも高頻度で乳がんの兆候を発見でき、かつ偽陽性を減らすことができる」と報告された。一方、iCADも独自のAI搭載の検診技術「Breast AI」を開発し、こちらも初期の成果を上げている。
今回の提携により、iCADはグーグルのAIとクラウド技術を活用し、iCADの既存システムを強化する。例えば、地域によってはAIシステムを動かすのに十分なコンピューティングパワーがない場合があるが、クラウドベースのインフラを利用することで、その問題を解決することができるという。
グーグルのHealth AIイニシアティブの責任者であるグレッグ・コラード(Greg Corrado)は声明で、「iCADは、臨床目的のために当社のマンモグラフィーAI技術の検証と評価を実施する。我々は、年間200万人の乳がんと診断される人々のために、乳がんの検出技術と個人の短期がんリスク評価を改善していく」と述べている。
(forbes.com 原文)