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2022.12.04 14:00

子どもが「自分は褒められるべき特別な人間だ」と考えることにも良い点がある

「エンタイトルメント」は一般には良くない特性とされている。しかし、本当に問題になるのはどんなときなのだろう(Getty Images)

「エンタイトルメント」は一般には良くない特性とされている。しかし、本当に問題になるのはどんなときなのだろう(Getty Images)

最近の若者は怠惰だ、感謝の気持がない、権利を主張しすぎるなどとよくいわれる。彼らは姿を現わすだけで褒められる「パーティシペーショントロフィー(参加賞トロフィー)」世代だと呼ばれている。親はしばしば、子どもたちがテレビゲームやSNSのスクロールに熱中で、まともな仕事ができないと不満をこぼしている。
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しかし、今の若者たちは本当に勤勉の意義を知らないのだろうか。それとも単にアプローチ方法が違うだけなのだろうか?

この疑問に答えるのは簡単ではない、なぜなら「エンタイトルメント」(自分は褒められるべき特別な人間であると考える性質)はさまざまな意味がある単語だからだ。表面上、エンタイトルメントは特別扱いをして欲しい期待と見ることができる。しかし、そこに良い意味も隠されていることもある。

Journal of Adolescenceに掲載された研究は、この議論に答えを出す試みとして、エンタイトルメントを「搾取的エンタイトルメント」と「非搾取的エンタイトルメント」という2つのカテゴリーに分類した。ここでは、子どもが示すかもしれないエンタイトルメントの感情が、懸念の材料であるかどうかを理解すべく、2つのタイプを掘り下げてみる。
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1. 搾取的エンタイトルメント


搾取的エンタイトルメントは「他人と違う特別な権利、および通常の社会的要求からの特別な免除を期待する」自己陶酔的傾向の一種だ。カリフォルニア大学アーバイン校のジャレド・レサード率いる研究チームは、搾取的エンタイトルメントを示す人間が、神経症的傾向が強く、労働意識や社会的関わりや自尊心の低い態度を示すことを明らかにした。

人が搾取的エンタイトルメントの感情を醸成する理由はいくつか考えられる。

・一部の専門家は、エンタイトルメントは現代の超個人主義的社会の副産物だと考える。私たちは常に、あなたは人とは違って特別だというメッセージを浴びせられ続け、その結果文化的に刻み込まれたエンタイトルメント感情が生まれる

・エンタイトルメントは子ども時代に親から極端に甘やかされた結果でもありうる。家事を手伝ったことがなく、自分の行動の結末を経験したこともない子どもは、エンタイトルメント感情が発現し大人になっても続くことがある

・ソーシャルメディアもまた、現代の若者のエンタイトルメント的態度に一役買っている可能性がある。Facebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)といったプラットフォームが、人々の生活のハイライト映像を作ることで、あたかも自分以外の誰もがすばらしい人生を送っているかのように思える。この比較が、嫉妬や恨みの感情へと繋がり、ミー・ファースト(自己優先的)態度を増長する場合がある
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翻訳=高橋信夫

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