語学学習アプリ「Ling App(リング・アップ)」を運営するSimya Solutions(シミヤ・ソリューションズ)は、開発者とクリエイターからなるグローバルチームを編成し、ハイブリッドかつリモートワークのモデルを運用している。チームが20人に達したとき、人事の必要性が明らかになった。
共同創業者でCEOのサイモン・バッハーは、「私と共同創業者がいくつもの枠割を担い続けるのが不可能となったので、一部のチームメンバーには人事を含む管理職の役割を担うように勧めました」と話す。
このやり方は、チームが50人に増えるまではうまくいっていたのだが、突然、管理職が本来の仕事をこなしつつ、人材を管理する時間が足りなくなった。ほとんどの人は、それまでそのような責任を負ったことがなかったのだ。そこで、彼らは人事スペシャリストを雇うことを決めた。
「我々がこれまで決断してきた中で最も正しい選択でした。業員数50人の段階は、それを行うための完璧なタイミングだったのです」と、バッハは付け加えた。「もし、それ以上待っていたら、従業員は過労を感じ、新しいスキルを習得することへの好奇心も薄れてしまっていたでしょう。チーム内の結束力が高まり、企業文化も発展しています」と語る。
スタッフが求めるのは「投資されている」という感覚
ホテル管理システム「RoomRaccoon(ルームラクーン)」は、従業員数87名で、40名を超えたあたりから社内に人事機能を導入した。
共同設立者兼CEOのタイマン・ヴァン・ディールは、「後から考えても、あの時が人事機能を導入する最も最適な時期だったと思いますし、それに伴うメリットや価値あるプロセスが、ほとんど瞬時に得られました。最大のメリットは、従業員の経験に対する説明責任を一元化し、人的資本の目標を達成するための運用フレームワークを構築できたことです」と語る。
当初、人事チームは人材獲得を含むさまざまな機能にまたがって働いていた。現在では、採用は別の部署が担当し、人事部は従業員体験やエンゲージメント、社員の定着に注力することができる。