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2022.12.01

悪者の外来種からアロマオイルをつくるプロジェクト

プレスリリースより

夏になると背丈が2メートルほどにも伸びて黄色い花を咲かせるセイタカアワダチソウ(背高泡立草)は、街中でも道路脇やら中央分離帯に陣取って雑草の王様のような偉そうな顔をしていますが、海外では古くから薬草として利用されています。それから採れるアロマオイルは、見た目とは裏腹にユーカリのようなスッキリした香りだとか。

戦後、アメリカ軍が持ち込んだ物資に付着していた種から全国に広がったと言われる北米原産のセイタカアワダチソウは、根から他の植物の成長を阻害する物質を出して在来植物を圧倒する厄介者です。そのため、環境省の生態系被害防止外来種リストにも含まれています。

島根県、鳥取県、岡山県にまたがる大山隠岐国立公園でも、セイタカアワダチソウが大変な勢いで繁殖しています。島根県大田市では地元の環境保護団体がその駆除に尽力していますが、焼却処分をするにも大きく育つ植物なので、その労力は馬鹿になりません。そこで、同国立公園の三瓶山で「山の駅さんべ」を運営するneccoが、このほど駆除したセイタカアワダチソウからアロマ製品を作って特産品として販売するプロジェクトを開始しました。「視点を変え、嫌われ者を地域の新しい価値に変える」という日本初の試みです。



neccoは、その商品開発の資金調達のためのクラウドファンディングをCAMPFIREで行っています。開発される商品は、アロマオイル、ファブリックウォーター、バスソルトの3種類です。アロマオイルはユーカリのようなスッキリした香り、ファブリックウォーター(衣類用消臭剤)はカモミールのような優しい香り、バスソルトは大田市の海水から作った「百済裏の藻塩」を使っているとのことです。



このプロジェクトには、地元の環境保護団体である大田市林友会、NPO緑と水の連絡会議、大田の自然を守る会のみなさんが協力しています。クラウドファンディングは12月31日まで。目標金額は250万円。All-in方式なので、かならず返礼がもらえます。

文 = 金井哲夫

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