マネー

2022.12.01 08:10

資産形成にも健康にも悪い仮想通貨

Yellowj / Shutterstock.com

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過去2年に投資家が学んだことがあるとすれば、それは暗号資産(仮想通貨)への投資は危うい行為だということだろう。

とんでもなく大きな値動きにも耐えられる人でない限り、ビットコインをはじめとする仮想通貨への投資は避けたほうがよいと思われる。

仮想通貨への投資では、熟練トレーダーであっても儲けられないと言うのではない。そうではなく、仮想通貨に投資する人のほとんどは、その代償としてメンタルヘルスを犠牲にせざるを得なくなるのは確かだということだ。

考えてみてほしい。過去2年、ビットコインの価格は跳ね上がっては暴落してきた。ヤフーファイナンスのデータによると、ビットコインの価格は2020年11月28日には1万9000ドル前後だったのが、2021年11月初めには6万5000ドル超まで上昇。その後下落に転じ、足元では1万6200ドルほどとなっている。

仮想通貨に投資している人はこの間、ジェットコースターに乗っているような感覚だったのではないか。筆者はそれには乗り合わせていなかったが、もしビットコインに投資していればきっと毎日気が休まらなかったに違いない。

さらにひどいことに、この2年、ビットコインを買い持ちしていた投資家は、結局、損失を出すことにもなった。投資家はその間、眠られない夜を過ごしたことも何度もあっただろう。

なかでも、仮想通貨、とくにビットコインは金(ゴールド)に代わる安全資産になると信じていた人たちにとっては、予想もしなかった体験をするはめになったはずだ。

彼らがもし仮想通貨でなく金を買っていれば、利益を出せていただろうし、過去2年のほとんどの期間、いい夢をみながらぐっすり眠られていただろう。

金の上場投資信託(ETF)である「SPDRゴールド・シェア」は同じ期間に、わずかながら上昇しており、それほど大きな変動もみられなかった。

投資とは本来、エキサイティングなものではないということを肝に銘じておく必要がある。スリルを求めて競馬で賭けるのとは違うのだ。投資は真面目に取り組むべきものである。そして、多くのプロが言っているように、忍耐はたいていの場合報われる。

仮想通貨の専門家であるマイケル・ケイシーはかつて筆者に、仮想通貨に使われているブロックチェーンは、これまで手間のかかっていたプロセスをより迅速に処理し、システム化するのに役立つ画期的な技術だというふうに説明してくれた。それが正しかったことは、筆者もその後知ることになった。

ビットコインのファンたちも、仮想通貨はそういうものとして捉えるのがよいのかもしれない。

forbes.com 原文

編集=江戸伸禎

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