──新ロゴ発表会でハンズの高家正行会長(カインズ社長)が「ハンズの売り場にニーズがあれば、カインズの商品を並べたり、その逆もありうる」ということを話していましたが、店舗連携についてはいかがでしょうか。
すでに両者がパートナーになったということで、カインズとハンズが手をくんでキャンペーンをやっている店舗もあります。両方の売り場に少しずつお互いの商品を置いていっていますが、「これから仲良くやっていきます」というものです。
先程申し上げたように、例えばホームセンターがない都市部では、家の修繕をするためのDIY商品やペット用品が買いたくても、ふさわしいお店がなかったりします。そのようなお客様のニーズを満たす形で、お互いの商品を一部置くことはあるかもしれません。東京のハンズららぽーと豊洲店などですでに展開し始めています。
2022年9月のハンズプレスリリースより(ハンズは旧ロゴ)
ハンズらしさを磨き上げる
──今後は、店舗によって顧客のニーズに合わせて売り場を変えていくということでしょうか。
過去からハンズブランドを知っているお客様は、ハンズに特別な思い入れがあり、その期待にしっかりと応えること。さらに時代に合わせたハンズへの期待もあろうと思いますので、手でワクワクする、創造することの楽しさを伝える「手」のブランドロゴのように、現代のエッセンスを取り入れながらMD戦略としてお客様の体験を作っていこうとしています。
カインズの戦略として大事なのは、まず、ハンズとしての共通の価値を時代に合わせて磨き上げ、お客様に伝えていくこと。その上に、一店舗ごとの価値をどう磨き、更にお客様に寄り添っていくか、ということです。
──ハンズの「磨きをかける部分」というのはどのような点ですか。
ハンズは新たにお客様に感じてもらいたい7つの価値をまとめましたが、例えば、ハンズにお客様が期待していることは「新しい文化の芽が見つかる」目利きの部分だと思います。これはハンズがもともと持っていたカルチャーですね。新しさやこだわりの深さの部分をベースに、新たな面白さを発見してもらえるような売り場をどう作るか考え、実践していきたいと思います。
大事なのは『「手」でソウゾウしよう「手」でワクワクしよう』をしっかりお客様に伝えていくことです。カインズとハンズ両社が目指す「DIY文化の共創」というのは、単に木工細工だけではなく解釈をもっと広げて、好きな色の壁紙にして気分を上げたり、大事にしている靴を丁寧に修繕して長く使ったりということも含まれるのだと思います。