新しい「手」のロゴを掲げて、どのように変わったのだろうか。名古屋在住のライターが新しいハンズの店舗を徹底レポートする。
百貨店地下に移転オープン 広々店内
「ゆったり、すっきりした…!」
新たなロゴを掲げたハンズの第1号店、「ハンズ名古屋松坂屋店」の店内に入っての第一印象である。
通路幅を広く取り、什器も背の低いものを使用している。そのため、広い店内の奥まで見通せる。新しい「HANDS」のロゴもシンプルかつ控えめで、スマートな店舗のイメージ、レイアウトとマッチしている。
経営・運営は三重交通グループの三交シーエルツ―(三交クリエイティブ・ライフの子会社)。同社はもともと愛知・三重県で東急ハンズ2店舗をフランチャイズ形式で運営してきた。今回の店舗は同じ名古屋市栄地区で1986年から営業してきた「東急ハンズANNEX店」(2021年10月閉店)が移転オープンした格好となる。
売り場面積は、ANNEX店がビル5~8階の4フロアで約2500平方メートルだったのに対し、新店舗は松坂屋名古屋店南館地下1階の1フロアで約2200平方メートル。広々として見える店舗は実は、従来の9割ほどと若干ながら縮小している。
そして、アイテム数は約3万点とANNEX店の4割ほどにしぼり込まれている。従来のような所狭しといった感じではなく、ゆとりを持たせて陳列していることも、店が広く感じられる理由だろう。
こだわりの商品をセレクトする“目利き”をウリにしていきた東急ハンズが、ホームセンターのカインズのグループに。昨年の発表があった際に、ハンズファンが最も懸念したのは、先のハンズらしさが失われてしまうことだったのに異論はないだろう。
ハンズの「目利き」を最大限に発揮する棚づくり
「a!ttention」は店舗独自のイベントコーナー。オープニング企画は「東海3県のモノづくり」。瀬戸本業窯の器など、地元の5ブランドを集めている。12月8日まで。
ハンズ名古屋松坂屋店で、ハンズの目利きの魅力が最も発揮されているのが店内のほぼ中央に設けられた「a!ttention」(アテンション)のコーナーだ。
「東海3県のモノづくり」をテーマに愛知・岐阜・三重の5つのブランドをセレクト。瀬戸焼、陶製の食の道具、三河木綿の服やバッグ、木工カトラリー、家具・食器・バッグなどの生活用品。いずれもこれまで取り扱いのなかったブランドで、本部のMDではなく同店スタッフが独自に編集を行っている。1〜2カ月程度のサイクルでブランドを入れ替えていくということなので、訪れる度に目利き力や発見を楽しめるコーナーになりそうだ。
「KOMOREBI SPOT」(コモレビスポット)もこれまでにはなかったスペース。買い物の合間に休憩ができるラウンジなのだが、商品であるクッションに座りながらコスメグッズを試用できたり、リサイクル絵本を読むことができたりと、ひと休みしながら商品にふれ、購入意欲を刺激される仕掛けが施されている。
「KOMOREBI SPOT」は店内に2カ所。北名古屋市のリサイクル絵本「こども古本店」は11月24日までの期間限定で好評だった