全米で人気急上昇のテキーラ、シェアがウォッカを上回る州も

El Nariz / Shutterstock.com

この数十年のあいだに、ウォッカは米国の愛飲家からかなりの支持を得るアルコール飲料となった。マティーニ、コスモポリタン、エスプレッソ・マティーニなどのウォッカを使ったクラフトカクテルにけん引され、米国内での消費量は蒸留酒カテゴリーでトップクラスとなっている。

ケテル・ワンやアブソルート、グレイグース、ティトーズ、ベルヴェデールといったブランドのウォッカは、指名でオーダーされ、プレミアム価格で供されることもしばしばだ。

そして今、ウォッカの王座に迫る勢いなのが、アガベ(リュウゼツラン)を原料とするメキシコの蒸留酒テキーラだ。オンプレミス(レストランやバーなどの店舗)の飲料業界に関する知見を提供する市場調査会社CGA・バイ・ニールセンIQによると、オンプレミスに限って言えば、テキーラ消費量の伸びはウォッカを上回っているという。

オンプレミスで消費される蒸留酒に関して、ウイスキーとウォッカの2強状態に変わりはないものの、テキーラはこのカテゴリーで唯一、2022年に入り、年初来で1%を超える伸び率を記録している。蒸留酒全体の消費量のなかでテキーラが占める割合も18%に達した。

テキーラの人気を州別に見ると、カリフォルニア州では、蒸留酒の総消費量のうち14%をテキーラが占め、9%のウォッカを既に上回っている。1年前との比較では、ウォッカの伸び率を24%上回るという急成長ぶりだ。

テキーラとウォッカの両者がほぼ同率のシェアを持ち、接戦を繰り広げているのは、テキサス州(どちらも6%)、ニューヨーク、オハイオの2州(同5%)だ。さらに、伸び率をウォッカと比較すると、テキサス州では18%、ニューヨーク州では17%上回っている。

フロリダ州では、今でもウォッカの人気が根強い。蒸留酒に占める割合は、テキーラの12%に対し、ウォッカが14%だ。一方、テキーラ消費量の伸び率が最も高いのもフロリダ州で、1年前から48%増という驚くべき伸び率を示している。
次ページ > 著しいテキーラ市場の成長

翻訳=長谷睦/ガリレオ

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事