期待される「公平で中立な判断」?
同社によると、タン・ユウはマネジメント全般に関連する業務、つまり同社の意思決定プロセスを支援し、リスクマネジメント戦略の実行に対する責任も担うことになるという。
それだけではない。タン・ユウは、リアルタイム・データセンターとしての機能を果たしながら、データ解析も担当することになる。ロボットがCEOに任命されて興味深いのは、会社だけでなくそこで働く社員のためにも「公平な」判断が下されることになる点だ。CEOの挙動が中立になれば、社員にとっていっそう健康的な職場環境になるだろう。すべては今日の世界で欠かせないものとなった人工知能によって実現するのだ。
同社の創立者である劉徳建(デジアン・リュー)博士は、AIの持つ力を賞賛しながら、「我々は、企業マネジメントの未来をAIに見ています。タン・ユウ氏を任命したことは、AIの活用に真剣に取り組み、ビジネスのオペレーションに変革をもたらし、ひいては将来の戦略的な成長を根本から進めるという弊社の意気込みの表れです」と述べた。
メタバースベースの労働コミュニティへ
リュー博士はさらに、「弊社は今後、メタバースベースの労働コミュニティへと歩みを進めつつ、タン・ユウのアルゴリズムを拡張し、オープンでインタラクティブ、かつ高い透明性を有するマネージメントモデルを構築して参ります。これにより、世界中から優れた才能を引きつけることが可能となり、より大きな目標を達成するポジションに立てると考えています」とも話す。
ネットドラゴン・ウェブソフトは1999年の創立以来、ゲーム業界で多大な貢献を果たしてきた。「エウデーモン」「ヒーローズ・エボルブ」「征服」「アンダーオース」など、数多くの人気ゲームを開発している。
同社はゲーム業界でその名をとどろかすだけでなく、世界中のすべての学校に組み込めるようなオンラインと教室を統合した学習ソリューションを提供すべく、教育ビジネスにも参入。「世界規模の最高の学習コミュニティを創造する」ことを目標に掲げ、ノーステキサス大学との協働で「ネットドラゴン・デジタルリサーチセンター」を立ち上げた。
(この記事は、英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から翻訳転載したものである)