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常連さん待遇で「地方にファンを」 丹波篠山はDXで交流人口増を目指す

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2022年10月、和歌山市とITベンチャー「シナジーマーケティング」が「関係人口創出モデル実証事業」に関する連携協定を締結した。

「関係人口」とは、「定住人口」でも観光で訪れる「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す。「観光以上移住未満」と言われたりもする。具体的には、兼業や副業などの仕事や、地元のイベント運営への参画といった土地との関わり方がある。

シナジーマーケティングといえば、20年以上にわたって国産クラウドサービスの提供とCRMマーケティング支援を行い、かつてヤフーグループの傘下に入った時期もあった大阪発の企業である。

テクノロジー全盛時代の量と効率だけを追い求めるデジタルマーケティングへのアンチテーゼとも見える「ファンマーケティング」に舵を切った背景には、同社代表取締役社長・田代正雄氏と、歴史的な建築物を活用したまちづくり事業「NIPPONIA」の仕掛人であるNOTE代表取締役・藤原岳史氏との、およそ15年にわたる交流にあった。

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戦後の日本の街づくりは、行政が作った地域に人が住むというトップダウン型が全国に広まったため、行政が提供するサービスの負担は増え続け、止まらない人口流出が地方経済に追い打ちをかけた。そこで今、あらためて住民主体のまちづくりに注目が集まっている。

地域活性のキーマンである2人にこれからの街づくりについて話を聞いた。デジタルとアナログを融合した地域DXの目指す形が見えてきた。

地方でITが浸透しなかった理由


藤原岳史氏(以下、藤原ちょうど2007年だったと思います。シナジーマーケティングが上場し、会社としても個人としても一つの大きな目標が叶ったタイミングで独立しました。いつか場所を問わずITを使って地方でも何かできないかと考えていたので、シナジーを飛び出して兵庫県・丹波篠山に帰郷し、地域活性化を目的とした取組みに色々トライしてみて、最終的に地域の空き家を活用させながら地域おこしをする「NIPPONIA」の事業を始めました。

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写真は藤原氏

プリントアウトしたグーグルカレンダーにメモ──


なぜみんな地方でITを使わないのか、これまでずっと不思議に思っていました。

採算性が低いなどの課題はあるだろうけれど、ICTを活用して自分ならば貢献できる自信があったのですが……。蓋を開けてみると、ITを使いこなせる人が地域にはいませんでした。

篠山に戻って最初に関わった「集落丸山」プロジェクトでは、集落内にある古民家の宿泊施設にグーグルワークスペースを導入したのですが、カレンダーやメールをわざわざプリントアウトして手書きでメモを取り始める状況を見て、地方でITが浸透しないのが腑に落ちました。

そこで、闇雲にIT化はせず、役割分担することを決めました。予約や宣伝など必要なところに絞ってシステムを導入し、その業務ごと我々が請け負う代わりに、集落の人には集落の人にしかできないことに専念してもらうことにしました。むしろ、集落の人には地域の価値を見つけることに集中してもらうことこそが重要で、システムで振り回されて時間を費やすべきではありません。

とにかく、地方にITを持ち込む時には、人とスキームをセットで持ち込まなければ浸透しないことに気づかされましたね。
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文=上沼 祐樹 編集=石井 節子

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