ハワイ時間11月28日午後、噴火は山頂付近の北東リフトゾーンへ移動し、複数の亀裂から流出し始めた。
上空を飛んでいた観測者は、噴出する溶岩が高さ30~60メートルに達するところを見たが、大部分は数メートルの高さだった。溶岩は斜面を北東に向かって流れているが、最終的には、マウナロアと隣接するやや低い休火山、マウナケアの間を分けるいわゆるサドルロードから11マイル(約18キロメートル)の地点で停滞している。
当局は、現時点で溶岩による人や建物への脅威はないとしている。溶岩は標高3000メートル以上のマウナロア山腹の傾斜の緩い位置にあり、溶岩が進行できない速度まで勢いが弱まっているためだ。
ある意味でこれは、長期間熟してきた噴火の結果としては不幸中の幸いといえる。マウナロアは過去200年に30回以上噴火しているが1984年以降は一度もない。
それでも火山灰の降下や「ヴォッグ」をはじめとする心配すべき危険は山ほどある。
頂上の反対側、南西リフトゾーンで噴火が起これば、溶岩が急斜面を下り海岸の人口密集地域へ数時間のうちに一気に押し寄せる可能性がある。USGS(米国地質研究所)は、火山のそちら側での噴火活動は予想していないとアナウンスしている。
しかし、新たな亀裂がいつでも活動を始める可能性はある
USGSは「マウナロア噴火の早期状態は非常に動きが活発であり、溶岩の位置や進行方向は急激に変化する可能性がある」と警告している。
一方、海岸沿いの山の中腹に住む人々には、噴火の華々しい状態が披露されている。溶岩の輝きで空は赤オレンジ色に染まり45マイル(約70キロメートル)離れていても見ることができる。もちろん、こうして見ていられるのも噴火が海抜4000メートル以上の島の最高点近くで起きているからこそだ。
(forbes.com 原文)