気候変動と大気汚染で、認知症や脳卒中などの神経疾患が悪化する

Getty Images


近年の研究では、気候変動が将来的なパンデミックを誘発し、感染症を悪化させる可能性があることもわかっている。世界保健機関(WHO)が最近発表した報告書によれば、気候変動は、「人類の直面する唯一にして最大の健康上の脅威」を引き起こすおそれがあるという。

この報告書では、現在までに大きく改善されてきた世界の人々の健康が、近年の気温上昇、食料不足、疾患リスクの上昇、熱波や暴風雨などの危険な気象によって、50年間分の後戻りをする可能性があるとされている。さらにその影響は、不利な立場にいる人たちに偏るとも予測されている。

また、感染症の広がりと気候変動の関連性も、分析によって明らかになっている。これは、地球温暖化に伴って病原体が人間に近づく一方で、干ばつと洪水によって人間が病原体に近づくためだ。こちらは、7月に学術雑誌「Nature Climate Change」に掲載されたレビューで報告されている。

10月の国連報告書によれば、今世紀末までに、地球の気温は摂氏2.9度上昇すると予測されている。また、温室効果ガス排出量は、「2100年までの気温上昇を摂氏1.5度に抑える」というパリ協定の目標の達成に必要な数値を大きく上回るペースで増え続けているという。

forbes.com 原文

翻訳=梅田智世/ガリレオ

ForbesBrandVoice

人気記事