予算1兆円!経営者の武器となる「リスキリング」とは?

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「アンラーニング」と「マスト化」へのスイッチを入れよう


では、具体的には、どのような行動を起こすべきなのでしょう?私からは、「アンラーニング」と「マスト化」の2つをご提案します。

持っているスキルや知識を捨てて、代わりに新しいスキルや知識を取り入れることを「アンラーニング」といいます。この「アンラーニングが必要だ!」というメッセージを社内で発信するのです。「いままでのやり方は通用しないので、変える必要がある」と、経営者やDX担当部署から社内へ伝え続けるのです。

さらには、リスキリングを「マスト化」する、つまり絶対にやらないといけないこととして、社内評価の対象や必須業務として位置づける。

例えば、日報や書類を紙で提出してきたら受理せず、査定をマイナス評価とする。社内で決まったツールの使用を「絶対にやらないといけない」こととするわけです。簡単なステップとして、ローカルPC上で使用するワードなどの文書編集ソフトからGoogleドキュメントへ。スラックやチャットワーク、エバーノートなどでもよいでしょう。それらを使うと、「やってみたら便利でよかった」と実感すると思います。そして一歩進んで、便利なオンラインの人事サービスを取り入れたり、さらに社員へのリスキリング教育の一環として、様々なセミナーや研修を活用すべきでしょう。

我々が運営している「セミナーズ」でも新しい時代に適応した学びを継続することを推奨しています。持続可能な経営を実現するためにも、学び続けること、そして学び直すことがより一層重要な時代となりました。

余談ですが、年商3000億円の会社を率いる私の知人の経営者が、「今どきメールや電話で連絡してくる人とは仕事をしたくない」と何かの折につぶやいていたのが印象的でした。リスキリングしないで、古いツールを使い続けているようでは、これからのデジタル時代を生き残れない、ということでしょう。

文=中村麻美

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