世界トップの富を生み出す投資先ともに彼女たちのプロフィールを紹介する。
米フォーブスが毎年発表している「もっとも影響力のある投資家ランキング2022」が4月に公開された。
ランキングは、米フォーブスとトゥルー・ブリッジ・パートナーズが共同で作成したもので、テック分野で過去5年間における2億ドル以上のIPOや買収案件、および4億ドル以上の価値評価を得た投資先を集計している。
今回のランキングは100人中女性11人がランクイン。21年は新型コロナウイルスのパンデミックによって、女性の全体的な労働力率が低下。女性の起業家と投資家の両方に対しての影響が懸念されていたが、ベンチャーキャピタル(VC)の世界では目覚ましい成果を上げていることがわかった。
最近公開された、米金融情報サービス会社であるピッチブックのレポートによると、女性が起業した企業は、21年の最初の3四半期だけで、それまでの年間ディール記録を打ち破り、最高額を記録。エグジットサイズとタイミングに関しては、より広範な市場で運用成績が指標を上回り、非常に優れたパフォーマンスを出した。
さらに、米国を拠点とする女性のチェックライターの数(投資意思決定者数)は19年以降約3.5%増加。現在ではゼネラルパートナー(GP)職の15.4%を女性が占めている。この分野ではまだまだ進歩が必要だが、業界全体で少しずつ変化が起きていることは明らかだ。
11人の女性たちが持続的に素晴らしいパフォーマンスを続けていることは、業界の明るい材料だ。今後も業界が進歩していく兆しであるととらえたい。彼女たちの昨年の活動とともに11人を紹介する(男性も含めた100人は米フォーブスの英語版サイトで公開されている)。
12位 アンナ・ファン
チェンファンド(真格基金)パートナー兼CEO
チェンファンド(ZhenFund)はアーリーステージを対象にしたVCで、ファンはパートナー兼CEOとして600社以上のスタートアップ企業に投資。継続的にリーダーとして管理能力を発揮し、女性で最高位にランクイン。21年の投資先には、Xiaohongshuなど、10億ドル規模の企業も含まれている。ファンの拠点は北京で、JPモルガンのニューヨークオフィスで投資銀行家としてキャリアをスタート。
主な投資先:Xiaohongshu(小紅書)、Huobi(火幣)、YatsenGlobal(逸仙電商)、Meicai(美菜网)、Bolt Financial、DeepGlint(格霊深瞳)、Yitu(依図)、Nuro
29位 メアリー・ミーカー
BONDゼネラル・パートナー
過去10年間、常にミダスリストの上位を占める。高成長テック企業にフォーカス。Airbnb(2020年12月に上場)、Slack(21年7月にセールスフォースが277億ドルで買収)、Canva(21年9月に400億ドルの評価額で資金調達した)など、話題の企業に数多く投資。直近では、21年に2号ファンドを資本金20億ドルで、22年に3号ファンドを25億ドルでクローズした。
主な投資先:Airbnb、Stripe、Canva、Instacart、Spotify、Plaid、Snap、Uber、On、Pinterest、LegalZoom、DocuSign