ドリブラー三笘はクラッキ?
ブラジルで「クラッキ」という言葉が使われる場合、ドリブルが飛び抜けて巧みな選手という意味も含まれる。その点で三笘はクラッキである。ただ、彼はチームの浮沈を背負うというタイプではなく、黙々と自分の仕事をするという職人肌の選手だ。
ネイマールをはじめとする前掲のクラッキたちがチームの太陽ならば、三苫は月だ。三苫のパスをもらって輝くべき選手が日本代表にはいなかった。
日本-コスタリカ戦 三笘薫(2022年11月27日撮影、Getty Images)
前半から代表選手とは思えない粗いプレーを連発した上田綺世は論外として、堂安律、そして浅野拓磨も、ドイツ戦の得点はたまたま運が良かったのだ、と判断せざるえなかった。そして最も太陽となるべき選手、鎌田大地は本物のクラッキに値するには何かが足りなかった。
グループリーグを突破するには、第3戦のスペイン代表に引き分け以上の結果が求められる。現時点では、肝心な何かが足りない日本代表が勝ち抜く可能性は低い。しかし、ゼロではない。日本代表はそれほど強くないが、弱くもないからだ。