ビジネス

2022.11.29 14:30

AIでメンタリングプログラムから最大の価値を引き出すLegacyShift


後輩に知恵を授ける側のシニアリーダーも、メンタリングプログラムの価値が限定的であるという感覚を持っている。彼らの時間は非常に貴重であり、少数の人にしかメンタリングできないことは、彼らがわずかな人たちにしか影響を与えられないことを意味する。

最後に、手動で管理されているメンタリングプログラムは、プログラムを改善するのに役立つ可能性のある、効果を定量的に証明する機会を失いがちだ。その結果、ほとんどのメンタリングプログラムは、規模を拡大し、具体的で測定可能な費用対効果を生み出すのに苦労している。

また、これらの制限は特に女性、有色人種、その他の代表権を与えられてこなかったグループの従業員に悪影響をおよぼす可能性が高い。なぜなら、手作業によるマッチングと限られたリソースにより、一見公平に見えるプロセスに個人の偏見を介入させてしまう際に生じるような格差を生み出すことにつながるからだ。メンターが誰をメンタリングするかを決める際のわずかな無意識の偏見も、組織全体で蓄積すると、メンターのバックグラウンドに最も近いメンティが有利となり、同質性をより高めてしまう可能性があるということがわかる。

キャリアアップ、従業員の満足度、従業員の定着率を支えるこのメンタリングの価値を考えると、ここには、メンタリングプログラムの効果と影響を改善し、メンタリングの費用対効果を定量化する方法を見つけるための大きな機会があるように思われる。それにより、企業がメンタープログラムをどのように管理し拡大するかについてより良い決定を下すことができるようになるはずだ。

LegacyShift(レガシーシフト)の共同設立者兼CEOであるサンドラ・バブ=ボアテンは、会社員時代、黒人女性として企業文化を理解する準備ができていない自分に気づき、こうした問題の一端を経験した。最終的に、バブ=ボアテングは、成長と成功への道筋が見えず、米国の会社を辞めて、連続起業家となった。2つの会社の立ち上げに成功した後、彼女は最近、自分のような人々や、メンタリングプログラムを作成、管理、拡大する優れた方法から恩恵を受ける企業を、テクノロジーがどのように支援できるかを考えるようになった。
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翻訳=Akihito Mizukoshi

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