とはいえリスクは高い。eLearningの調査に参加した労働者の5人に4人は、強力なチーム文化よりも、ハイブリッドな職場環境や給与の方が、簡単に転職を決意させる可能性があることがわかった。また、企業文化は「チームビルディング」よりも、福利厚生や柔軟な働き方を提供することが重要であると67%が考えており、これはおそらく新しい常識であると言えるだろう。
企業文化について最も好ましいと思う点を尋ねたところ、労働者の間では「柔軟性」や「好きな時に好きな場所で働けること」が上位に挙げられている。また、29%の人が福利厚生や特典、ボーナスが充実していることを望んでいる。
そして、48%が、企業文化の改善や変革において、リーダー層から意見を求められたことがない、あるいは出した意見を考慮されたことがないと回答している。訓練と教育が役立つと思われるが、5人に2人(37%)は昇進や会社でのより高い地位を得るために必要なスキルがないことを懸念しており、32%は雇用主がスキルを向上させるための時間と資源を提供していないと回答している。
そんな中、100%バーチャル企業であるFinch(フィンチ)では、企業文化が重要な焦点となっている。Finchのスタッフ責任者であるジェーン・ペノイヤーは「単にバーチャルな環境に人を放り込んでも、その人たちがずっと働き続け、生産的で、幸せでい続けることは期待できません」という。「バーチャルな環境でも企業文化が伝わるように、仕組みやプロセスを整備することが重要です。会議の冒頭で、ざっくばらんに話す場を設けると効果的です」
Finchの場合、Slack上に#daily-standupチャンネルがあり、各チームメンバーが優先事項、困っていること、前日に達成したタスク、そしてチームと共有したい個人的なことを簡単に話すようにしています」と、ペノイヤーはいう。「日常的に他の人のプライベートな部分を垣間見ることができるのは、非常に重要なことだと思います。このことでリアルさが保たれ企業文化が生かされることになるのです。実生活での人となりを知り合えるようにすることもとても重要なのです」
調査の中では、初期的なメタバースなどの仮想3D環境が盛り上がりを見せていた。84%の労働者がバーチャル会議室での会議に参加し、81%が新しいタスクや職務をシミュレーションで練習すると回答している。また、80%の人が、バーチャルな講師やシミュレーションを使ったトレーニングや学習プログラムを行うだろうと考えている。
「私たちは、魅力的な仮想体験を作り出すのに役立つ、新しいテクノロジーに全力を注いでいます」 とエスリッジはいう。「今年は、15万人のグローバルな新入社員のオンボーディングを対面で行う代わりに、Accentureのエンタープライズメタバースである『Nth floor』に集めて行いました。そこでは会社について学び、同僚やリーダーと交流し、有意義で個人的な方法で私たちの文化を体験します。また、これによって、初日から彼らにイノベーションに真剣に取り組んでいることも示せるのです」
(forbes.com 原文)